正答率8割問題作ってみた-100 産婦人科 《反復する腹痛》

まずは前回の解答・解説から。

胎動減少は胎児機能不全などを心配する所見である。抗D抗体陽性ということから血液型不適合妊娠(Rh(-))である。妊娠27週の段階で抗D抗体が1024倍ということは、この妊婦がRh(-)であり、以前にRh(+)の胎児を妊娠したことがあるということである。前回の妊娠で初めて作られたときの抗D抗体はIgMであり胎盤通過性がなかったが、今回の抗D抗体はクラススイッチによってIgGになっており、胎盤通過性があるため胎児の溶血性貧血を引き起こす可能性がある。このことから、この妊婦は以前に人工妊娠中絶手術を受けており、その際に予防策を怠っていた可能性などが考えられる。

a.妊娠中絶歴を確認する必要がある ⇒正しい。上記の通り。

b.胎児貧血が疑われる ⇒正しい。抗体が付着した胎児赤血球は脾臓で破壊(溶血)されるため、胎児は貧血となり、最終的には免疫性胎児水腫となる。胎児心拍数陣痛図はサイナソイダルパターンを呈しており、胎児貧血が重症化していることがわかる。

c.胎児の血清LDは上昇する ⇒正しい。溶血性貧血が起きているため血清LDは上昇する。母体の血清LDは上がりません!注意!

d.この妊婦の抗D抗体はIgMである ⇒間違い。この患者の場合はIgGである。上記の通り。

それでは今日の問題。記念すべき(?)100問目です。これまで問題を解いてくださった方有難うございます。これからもよろしくお願いします。

36 歳の初妊婦。妊娠 28 週。昨夜からの反復する腹痛を主訴に来院。これまでの妊婦健康診査で異常なし。 1 週前から腹部緊満感を自覚していた。子宮底長 36 cm。下腿に軽度の浮腫を認める。腟鏡診で分泌物は白色少量。内診で子宮口は閉鎖している。経腟超音波検査で頸管長 10 mm、内子宮口の楔状の開大を認める。腹部超音波検査で胎児に明らかな形態異常はなく、胎児推定体重は 1,100 g、羊水指数〈AFI〉38 cm(基準 5 〜25)。胎児心拍数陣痛図で 10 分周期の子宮収縮を認め、胎児心拍数波形に異常を認めない。

誤っているのはどれか。

a.塩酸リトドリンが有効である

b.分娩後の弛緩出血のリスクが高い

c.原因にPotter症候群がある

d.子宮底長は正常より大きい

参考問題は109E43

→https://minkore.com/bbs_view/109_5_43

解答・解説は次回。