正答率8割問題作ってみた-102 産婦人科 《分娩の流れ》

まずは前回の解答・解説から。

1絨毛膜2羊膜性双胎(MD)は、双胎妊娠の約3割ほどを占める(DDが7割、MMはまれ)。このうちMDとMMは1つの胎盤を2児が共有していることから双胎間輸血症候群を起こす可能性がある。双胎間輸血症候群とは胎盤の吻合血管を介して2児の間に循環血液量の不均衡が生じ、2児に循環不全が起こる症候群のことである。受血児は循環血液量が多いため高血圧、羊水過多、うっ血性心不全、胎児水腫などのリスクがあり、供血児は循環血液量が少ないため低血圧、羊水過少、腎不全、胎児発育不全などのリスクがある。今回の症例の場合、超音波検査で第1児の羊水ポケットが10.9cmであり、正常値の2~8cmを超過していることから羊水過多である。これは受血児であることを示す。これに対し、2枚目の超音波画像で第2児の羊水腔が大変小さいことから、こちらが供血児で羊水過少が予想される。

a.「第1児の羊水量が多いです」 ⇒正しい。上記の通り。

b.「2人の性別は同じです」 ⇒正しい。MMとMDは2児の性別は必ず同じである。ちなみにゲノムや血液型なども同じである。

c.「双胎妊娠自体は増えています」 ⇒正しい。一卵性双胎の頻度は昔とほとんど変わらないが、不妊治療による排卵誘発では1度に複数の卵子を排卵させたり、また生殖補助技術(ART)では複数の受精卵を子宮に注入するため、自然妊娠に比べて二卵性双胎が生じやすい。社会情勢としてこういった不妊治療が進歩・普及していることから二卵性双胎が増えており、全体として双胎妊娠は増加している。

d.「2人の臍帯が絡み合うと危険です」 ⇒間違い。MDは羊膜は2人で別々であるため、お互いの臍帯が絡み合うことはない。臍帯が絡み合う臍帯相互巻絡が起きるのはMMである。

それでは今日の問題。

34歳の初産婦。妊娠38週5日に陣痛発来のため入院した。これまでの妊娠経過は順調であった。午前6時に10分周期の痛みを伴う規則的な子宮収縮が始まったため、午前6時30分に受診した。来院時の内診所見で子宮口は4cm開大、卵膜を触知し、児頭下降度はSP+1cm、3時方向に小泉門を触知した。Leopold診察法で児背を母体の左側に触知した。入院後、同日の午後4時に子宮口が全開大し、午後4時15分に自然破水、午後4時40分に児頭が発露した。午後4時49分、①『児の顔が母体の後方を向く方向から母体の右方を向く方向に回旋』しながら児頭が娩出され、午後4時50分に児の全身が娩出された。午後5時に胎盤が自然に娩出された。分娩時出血量は420mLだった。

誤っているのはどれか。
a.第1前方後頭位での分娩である
b.子宮口全開大から分娩第1期という
c.発露とは常時児頭が見えることである
d.①『』は第3回旋~第4回旋である
参考問題は109G47
→https://minkore.com/bbs_view/109_7_47
解答・解説は次回。