まずは前回の解答・解説から。
a. 1日の体重増加量は正常である ⇒正しい。0~3か月では、体重は1日に25~30g増加するのが正常。
b. 便臭は腐敗臭である ⇒間違い。母乳栄養の場合は便は酸臭がする(ビフィズス菌による)。またpHも弱酸性である。
c. 皮膚の黄染は母乳によるものである ⇒正しい。母乳中に含まれる遊離脂肪酸が、児の肝臓でのビリルビン代謝を阻害するさようをもつため、児は高ビリルビン血症となる。これを母乳性黄疸という。
d. 母乳は人工乳より鉄が少ない ⇒正しい。母乳中は鉄だけでなくビタミンKも少ない。
色 | 硬さ | 臭気 | pH | 1日排便回数 | |
母乳 | 卵黄色 | やわらかい | 酸臭 | 弱酸性 | 2~3回 |
人工乳 | 淡黄色 | 硬い | 腐敗臭 | 弱アルカリ性 | 1~2回 |
それでは今日の問題。
日齢0の新生児。経腟分娩で出生した。在胎39週3日、出生体重は3,160gであった。分娩中に胎児心拍数陣痛図で遷延一過性徐脈が繰り返し出現していた。出生1分後の時点では全身にチアノーゼを認め、心拍数80/分、呼吸は不規則であった。刺激に対して顔をしかめるが全身がだらりとしていた。
この児に関して誤っているのはどれか。
a. 出生1分時点で重症新生児仮死である
b. 早急に気管挿管を行う
c. 分娩中に低酸素状態になった
d. Apgarスコアは複数回評価する
参考問題は111E58
→https://minkore.com/bbs_view/111_5_58
解答・解説は次回。