正答率8割問題作ってみた-121 小児科 《頻回の嘔吐》

まずは前回の解答・解説から。

X線画像ではO脚が明らかである。正常分娩であり、出生体重や頸定3か月、歩行開始1歳3か月は正常であることから、先天性のものというよりは後天性の疾患であるといえる。肉類、魚類、牛乳、卵を摂取していなかったという経緯は不適切な栄養摂取状況であったことを推察させる。以上のことから、ビタミンD欠乏性くる病を考える。ちなみにビタミンDが豊富な食物としてキノコや乳製品、魚類あたりは覚えておきたい。

a. 血清Pは低値である →正しい。くる病の原因としてビタミンD欠乏、ビタミンD代謝異常、P欠乏、Ca欠乏があるが、そのいずれにしても血清Pは低値になる。

b. 外反膝(X脚)にはならない →間違い。O脚だけでなくX脚にもなる。また、Harrison溝や脊柱側弯などもキーワード。

c. ねずみ尿臭を呈する →間違い。ねずみ尿臭はフェニルケトン尿症で生じる。

d. 下肢にHarrison溝がみられる →間違い。Harrison溝は確かにくる病のキーワードだが、下肢ではなく上半身にできる。具体的には、横隔膜が付着する肋骨が内側に引き込まれて変形することによる陥没溝のことである。

それでは今日の問題。

7歳の男児。腹痛、頻回の嘔吐および全身倦怠感を主訴に母親に連れられて来院した。この数日間、運動会の練習があり易疲労感を訴えていた。昨夜はほとんど食事をとらずに就寝した。今朝から腹痛と頻回の嘔吐とが出現し、徐々に元気がなくなったため受診した。5歳ころから今回と同様の経過を数回繰り返 している。身長 122 cm、体重 18 kg。体 温 36.4 ℃。脈 拍 92/分、整。顔面は蒼白。咽頭に発赤を認めない。呼気に酸臭を認める。心音と呼吸音とに異常を認めない。皮膚のツルゴールは低下している。
この疾患について誤っているのはどれか。

a. 脱水に対して輸液を行う

b. 成長すると自然治癒する

c. 発作時は低血糖である

d. 代謝性アシドーシスを呈する

参考問題は110I56

→https://minkore.com/bbs_view/110_9_56

解答・解説は次回。