正答率8割問題作ってみた-122 小児科 《銅代謝異常》

まずは前回の解答・解説から。

小児が腹痛と頻回の嘔吐を呈し、またそれらが食事をとらずに就寝したのちに生じるという経過を数回繰り返しているという病歴、そして呼気に酸臭(=アセトン臭)を認めることからアセトン血性嘔吐症を考える。顔面蒼白や皮膚ツルゴール低下を認めることから脱水症状があると考える。アセトン血性嘔吐症は周期的な嘔吐発作が生じる原因不明の疾患で、ストレスや感染が誘因となって発症する。好発は2~10歳だがその年齢を過ぎると自然に軽快する。鑑別疾患としてケトン性低血糖症があり、両者ともケトン体(⧻)である。しかし発作時の血糖値がアセトン血性嘔吐症では正常であるのに対して、ケトン性低血糖症はその名の通り低血糖になっている。頭の中ですっかりアセトン血性嘔吐症のつもりで選択肢作っていましたが、この問題文だけではケトン性低血糖症も否定できませんね。不適切な問題を作ってしまって申し訳ないです。

a. 脱水に対して輸液を行う →正しい。まず脱水を是正する。

b. 成長すると自然治癒する →正しい。上記の通り。

c. 発作時は低血糖である →間違い。上記の通りで、発作時に低血糖であるのはケトン性低血糖症の方である。

d. 代謝性アシドーシスを呈する →正しい。ケトン体(⧻)であるから代謝性アシドーシスを呈する。これはケトン性低血糖症でも同様である。

それでは今日の問題。

1 歳 1 か月の男児。体重増加不良、筋力低下および発達の遅れから先天代謝異常が疑われ精査のため母親に連れられて来院した。寝返りはできず、呼吸器感染症を繰り返している。血清セルロプラスミン低値、尿中Cu排泄が低下している。
この疾患について誤っているのはどれか。

a. 遺伝性疾患である

b. Kayser-Fleisher角膜輪がみられる

c. 血清Cuは低値を示す

d. 小児期に死亡することが多い

参考問題は109I64

→https://minkore.com/bbs_view/109_9_64

解答・解説は次回。