正答率8割問題作ってみた-136 循環器 《発熱と心雑音》

まずは前回の解答・解説から。

労作時の息切れという症候に対しては国家試験的には①左心不全、②肺・気管支疾患、③肺高血圧症 の3つを思い浮かべるのが定石である。今回の場合はⅢ音とⅣ音を聴取している点から左心不全をきたしていると考える。左鎖骨中線第5肋間は要するに心尖部領域のことであり、心尖部にて汎収縮期雑音を聴取するのは僧帽弁閉鎖不全症である。心エコー所見では僧帽弁の接合不良や左房拡大、そして高度僧帽弁逆流所見がみとめられることから僧帽弁閉鎖不全症と診断できる。

a.Ⅱ音の奇異性分裂を聴取する →間違い。Ⅱ音の奇異性分裂を聴取するのは大動脈弁狭窄症などである。

b.弁置換術で機械弁より生体弁が適する →間違い。問題文における情報は少ないが、男性(女性では挙児希望によって変わる)で52歳という中年であれば、血栓予防としてワルファリンが一生涯必要であるとしても、再手術の必要性がない機械弁の方が適応が良いとされる。

c.直接の原因として上行大動脈瘤がある →間違い。僧帽弁と上行大動脈は直接的には関係ない。

d.カテーテルを用いた治療がある →正しい。僧帽弁尖に経カテーテル的にクリップをかける僧帽弁形成術が行われる。2018年から保険収載された。(私も循環器内科の実習で見学しました!8割問題の趣旨とはちょっと異なりますがトピックスとして知っておいてもよいかと!!)

それでは今日の問題。

52歳の男性。労作時の息切れを主訴に来院した。1か月前に口蓋扁桃摘出術を受け、数日後に悪寒戦慄が出現した。その後、労作時の息切れが出現し、徐々に増悪したため来院した。既往歴に特記すべきことはない。意識は清明。体温38. 5℃。脈拍104/分、整。血圧140/82mmHg。心尖部で3/6度の全収縮期雑音を聴取する。呼吸音に異常を認めない。神経学的に異常を認めない。血液培養検査にてグラム陽性球菌が検出された。抗菌薬の静注を開始したが、炎症所見の改善はみられなかった。心エコー図を別に示す。

誤っているのはどれか。

a.外科的介入を考慮する

b.起因菌として腸球菌が最多である

c.脾腫を起こしやすい

d.γ-グロブリンは高値をとる

参考問題は105D40

→https://minkore.com/bbs_view/105_4_40

解答・解説は次回。