正答率8割問題作ってみた-142 循環器 《高血圧》

まずは 前回の解答・解説から。

200m程度の歩行で右下腿に痛みが生じるというのを間欠性跛行という。進行すると安静時にも疼痛が生じるようになる。右大腿動脈の触知不良から、右腸骨動脈領域の病変が疑われる。造影CTで右総腸骨動脈に限局性の閉塞が認められることから閉塞性動脈硬化症と診断できる。

a.喫煙がリスク因子である →正しい。粥状動脈硬化を招くもの、例えば高血圧や脂質異常症、糖尿病などもリスク因子となる。

b.遊走性静脈炎を合併する →間違い。遊走性静脈炎は閉塞性血栓血管炎(Burger病、TAO)に合併するものある。

c.ABIがスクリーニングに用いられる →正しい。ABIとは足関節上腕血圧比のことで、上腕動脈の血圧に対する足関節レベルの血圧の割合を表すものである。健常者の場合は重力によって足関節血圧が上腕血圧より高いが、閉塞性動脈硬化症などでは足関節血圧が上腕血圧よりも低くなり、ABIも低くなる。

d.腱反射異常は生じない →正しい。間欠性跛行を呈する神経疾患である腰部脊柱管狭窄症であれば腱反射に異常がみられるが、血管性の疾患である閉塞性動脈硬化症では見られない。

それでは今日の問題。

78 歳の男性。 3 週前からの頭重感を主訴に来院した。既往歴に特記すべきことはない。喫煙歴はない。飲酒はビール350 mL、2日に1回を30年間。身長 165 cm、体重 60 kg。脈拍 72/分、整。血圧 184/112 mmHg、左右差なし。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部と背部とに血管雑音を聴取しない。下腿に浮腫を認めない。尿所見と血液生化学所見とに異常を認めない。心電図で左室肥大所見を認める。胸部エックス線写真で心胸郭比は 62 % である。
最も正しいのはどれか。

a.まず減塩のみで様子を見る

b.Ⅲ度高血圧に分類される

c.禁酒を指示する

d.メタボリックシンドロームを疑う

参考問題は108G55

→https://minkore.com/bbs_view/108_7_55

解答・解説は次回。