まずは前回の解答・解説から。
まず目につく数値は血圧184/112 mmHgであろう。これはⅢ度高血圧に分類され高リスク群といわれる。Ⅲ度高血圧の場合は生活習慣の改善だけでなく速やかに薬物治療を行う必要がある。
a.まず減塩のみで様子を見る →間違い。Ⅲ度高血圧は生活習慣の改善だけで治療することはできない。また、左室肥大所見もあることから速やかな薬物治療導入が大切である。
b.Ⅲ度高血圧に分類される →正しい。その通り。
c.禁酒を指示する →間違い。飲酒量は正常範囲内である。
d.メタボリックシンドロームを疑う →間違い。メタボリックシンドロームの診断基準に高血圧という項目はなく、また記載されている他の数値もメタボリックシンドロームの診断基準に引っかかるものはない。メタボリックシンドロームの診断基準の項目と数値は暗記必須。
循環器はここまで。これで全メジャー科を1周しました。個人的な話になりますが、大学の試験が近々にあり範囲がほぼメジャー科という噂なので、その勉強もかねてもうしばらくはランダムにメジャー科をやらせてください(泣)
それでは今日の問題。
42歳の男性。発作性の呼吸困難を主訴に来院した。6か月前から朝になると胸苦しさを時々自覚するようになり、本日特に症状が顕著だったため時間外の外来を受診した。両側全肺野にwheezesを聴取し、点滴と刺激薬の吸入とを行うと改善した。既往歴とアレルギー歴とに特記すべきことはない。心音と呼吸音とに異常を認めない。尿、血液および胸部エックス線写真に異常を認めない。
誤っているのはどれか。
a.根治療法に舌下免疫療法がある
b.FeNO測定は治療経過の評価に用いる
c.抗IL-5抗体薬は保険適用がある
d.抗ロイコトリエン薬は発作時に有効である
参考問題は104C21
→https://minkore.com/bbs_view/104_3_21
解答・解説は次回。