正答率8割問題作ってみた-149 神経 《歩行障害と認知症》

まずは前回の解答・解説から。

動悸や息切れ、微熱、頻脈、高血圧などは甲状腺中毒症を示唆する所見である。弾性硬で圧痛(−)のびまん性甲状腺腫という所見からBasedow病や無痛性甲状腺炎を考える。TSH低値、FT4↑もこれらの疾患を支持するが、TRAbが基準値以内であることからBasedow病よりも無痛性甲状腺炎を考える。甲状腺シンチグラムでは99mTcO4-の甲状腺への取り込みが低下している。Basedow病であればこの取り込みが亢進するはずであることからも、Basedow病ではなく無痛性甲状腺炎と考えるべきである。

a. 治療時の白血球数の変化に注意する →間違い。Basedow病の場合に用いる抗甲状腺薬は副作用に無顆粒球症があるため治療時の白血球数のモニタリングが重要であるが、無痛性甲状腺炎に対しては抗甲状腺薬は禁忌である。

b. 甲状腺エコーで血流増加を認める →間違い。これはBasedow病の所見である。無痛性甲状腺炎の場合は血流は変化しない。

c. 喘息既往の有無が重要である →正しい。無痛性甲状腺炎に対しては必要に応じてβ遮断薬を投与して経過観察する。喘息患者にはβ遮断薬を用いることはできないためその既往を聞くことは重要である。

d. 先行感染を伴うことが多い →間違い。先行感染を伴う甲状腺疾患といえば亜急性甲状腺炎である。

しばらく8割なんて届くはずがなさそうな問題ばかり続いて申し訳ありませんでした。自分でも見返して答え何だっけってなるときありましたから今日から軌道修正していこうと思います。

それでは今日の問題。

77 歳の男性。易転倒性と認知症とを主訴に来院した。1年前から歩行速度が遅くなり、1か月前から転倒や物忘れも出てきたため、家族に連れられて受診した。意識は清明。体温 36.4 ℃。脈拍 72/分、整。血圧 148/82 mmHg。呼吸数 16/分。SpO2 98 %(room air)。Mini-Mental State Examinationは 22 点(30 点満点)。上下肢の筋力と腱反射とに異常を認めない。病的反射と感覚障害とを認めない。歩行はすり足、小刻みで、歩隔は広い。頭部MRIのT1強調冠 状断像を別に示す。
正しいのはどれか。

a. 排便障害を呈する

b. 頭痛はみられにくい

c. 治療は血管から病変部へアプローチする

d. 認知症症状は不可逆的である

参考問題は110D46

→https://minkore.com/bbs_view/110_4_46

解答・解説は次回。