正答率8割問題作ってみた-15 腎臓 《起立・歩行困難》

まずは前回の解答・解説から。

腎移植についての知識を確認する問題である。腎移植は腎代替療法の一つで、健常者と同等の社会復帰や出産も可能となる、QOLの面で透析療法に優るものである。ただし、待機期間が長くすぐに治療が行えないことが多く、実際にはほとんどの末期腎不全患者は透析療法を選択せざるを得ない状況である。腎移植には生体腎移植と献腎移植があり、生着率が高いのは生体腎移植である。

a. 「生体腎移植より献腎移植が多いです」 ⇒日本では生体腎移植が腎移植の約85%を占める。

b. 「ドナー腎を自己腎と同部位に移植します」 ⇒ドナーからの摘出腎は一般的にレシピエントの腸骨窩の後腹膜腔に移植する。レシピエントの自己腎は基本的に摘出しない。

c. 「ABO血液型不適合では移植できません」 ⇒リンパ球直接交差試験は陰性でなければ移植できないが、ABO血液型とHLAは不適合でも術前の適切な処置により移植可能。

d. 「あなたに悪性腫瘍があれば移植適応外です」 ⇒正解。腎移植をする場合のレシピエント側の禁忌は、全身感染症、活動性肝炎、悪性腫瘍である。

それでは今日の問題。

66歳の男性。起立・歩行が困難となり救急車で搬入された。ほとんど食事を摂らずに連日大量の飲酒を続けており、昨日も軽い朝食以後食事をせず泥酔状態でフローリングの床の上で寝入ってしまった。本日午前 5時に目覚めたが起立・歩行が困難であったため、電話まで這っていき午前 6時に救急車を要請した。冷房装置のない蒸し暑い部屋に独居している。意識は清明。身長 165cm 、体重62kg 。体温37.0 ℃。心拍数 124/ 分、整。血圧 86/54mmHg 。呼吸数28/ 分。 SpO₂ 96 % (room air) 。心音と呼吸音とに異常を認めない。腰背部痛と両大腿の筋痛とを認める。構語障害を認めない。両下肢筋力は徒手筋力テスト2、その他の神経学的所見に異常を認めない。尿所見:色調は暗褐色、比重 1.022 、pH6.0 、蛋白 2十、糖(±)、ケトン体 1+、潜血 3+、ビリルビン(一)、沈渣に赤血球1 ~4 /1 視野、白血球2~3 /1 視野、硝子円柱と顆粒円柱とを認める。血液所見:赤血球330 万、 Hb 12.0 g/dL 、Ht33% 、白血球 14,700 、血小板 17 万。
以下の血液生化学所見のうち、低下する可能性が最も高いものはどれか。

a. クレアチンキナーゼ

b. 尿素窒素

c. HCO3-

d. カリウム

参考問題は112F45

⇒https://minkore.com/bbs_view/112_6_45

解答・解説は次回。