正答率8割問題作ってみた-157 腎臓 《ネフローゼ症候群》

まずは前回の解答・解説から。

発熱、白血球高値、CRP高値から炎症が生じている可能性を考える。右季肋部に圧痛を認めることから、急性胆嚢炎、急性胆管炎、十二指腸潰瘍の穿孔などが鑑別疾患としてあげられる。ASTやALT、ALP、γGTPの値から急性胆管炎は考えにくい。腹部造影CTで胆嚢腫大や胆嚢壁肥厚及び胆嚢内部の結石を認めることから急性胆嚢炎と診断できる。急性胆嚢炎の治療は、全身状態が不良の重症例を除き、早期の胆嚢摘出術(腹腔鏡下胆嚢摘出術LAP-Cなど)が第一選択。何らかの理由で胆嚢摘出術ができない場合は経皮経肝胆嚢ドレナージが推奨される。

a.起因菌として嫌気性菌が多い →正しい。その通り。大腸菌やクレブシエラが起因菌の代表例。

b.閉塞性黄疸の原因になる →正しい。胆嚢頸部または胆嚢管結石による胆管の圧迫や炎症性変化によって総胆管狭窄をきたし閉塞性黄疸を引き起こす状態をMirizzi症候群という。

c.ドレナージ時は肝臓を避けて穿刺する →間違い。上記の通りドレナージを行うときは経皮「経肝」胆嚢ドレナージを行う。その名の通り肝臓を通って胆嚢床を穿刺する。(国家試験では過去に画像でこの手技が出題されていました)

d.確定診断には画像診断が必須である →正しい。確定診断には急性胆嚢炎の特徴的画像所見のいずれか(超音波検査、CT、MRI)が必須である。

それでは今日の問題。

20 歳の男性。大学の健康診断の検尿で異常を指摘され来院した。2か月前から下腿の浮腫を自覚していた。脈拍 72/分、整。血圧 140/86 mmHg。顔面と下腿とに浮腫を認める。尿所見:蛋白3+、潜血1+、沈渣に赤血球5〜10/1視野、白血球2~3/1視野を認める。血液生化学所見:総蛋白 4.5 g/dL、アルブミン 1.8 g/dL、IgG 547 mg/dL(基 準 960〜1,960)、IgA 250 mg/dL(基準 110〜410)、IgM 67 mg/dL(基準 65〜350)、尿素窒素 20 mg/dL、クレアチニン 1.1 mg/dL、トリグリセリド 240 mg/dL、LDL コレ ステロール 220 mg/dL。ASO 180 単位(基準 250 以下)。腎生検の PAS 染色標本を別に示す。この疾患について正しいのはどれか。

a.B型肝炎の既往を考える

b.鼻・耳・眼の精査が必要である

c.電顕で高電子密度の沈着物を認める

d.腎不全へ移行することが多い

参考問題は110A52

→https://minkore.com/bbs_view/110_1_52

解答・解説は次回。