正答率8割問題作ってみた-18 腎臓 《血尿を呈する疾患》

まずは前回の解答・解説から。

全身倦怠感、脱力、食欲不振から、脱力をきたす慢性疾患の鑑別が必要になる。Cl 108mEq/L、PaCO2 35Torr、動脈血pH 7.28より、アニオンギャップ正常の高Cl性代謝性アシドーシスを読み取ることができれば、Sjögren 症候群の合併症としてのⅠ型(遠位型)尿細管性アシドーシスをきたしていることが分かるだろう。Ⅰ型尿細管性アシドーシスの特徴的症候の腎結石もある。

a. 動脈血HCO3- 24mEq/L ⇒アシドーシスであるため、動脈血HCO3-は低値になる。

b. アニオンギャップ≧30mEq/L ⇒尿細管性アシドーシスではアニオンギャップ正常の高Cl性代謝性アシドーシスになる。また、そもそも問題文に出ているNaとClの値からAG=Na-Cl-HCO3-=30-HCO3-であるから30以上であるはずがない。

c. 血清K 6.0mEq/L ⇒尿細管性アシドーシスでは低K血症になる。また、その他の尿細管性疾患(例えばBartter症候群など)のほとんどは低K血症になる。

d. NH4Cl負荷後尿pH 6.5 ⇒正解。尿細管性アシドーシスにはⅠ型(遠位型)とⅡ型(近位型)があり、その鑑別に塩化アンモニウム負荷試験が用いられる。負荷後、前者では尿pH>5.5、後者では尿pH≦5.5となる。

それでは今日の問題。

15歳の女子。乏尿と浮腫とを主訴に来院した。10日前に発熱と咽頭痛とが出現した。昨日から尿量が減少し、靴下をはきにくく感じた。体温 36.0 ℃。脈拍 72/分、整。血圧 160/100 mmHg。呼吸数 18/分。尿所見:蛋白1+、潜血3+、沈渣に赤血球多数/1視野。血液所見:赤血球 400 万、Hb 12.6 g/dl、Ht 34 %、白 血 球 6,600、血小板 22 万。血 液生化学所見:アルブミン 4.2 g/dl、尿素窒素 30 mg/dl、クレアチニン 1.2 mg/dl、総コレステロール 220 mg/dl。入院後7日に施行した腎生検の PAS 染色標本と電子顕微鏡写真とを別に示す。
この患者の疾患について正しいのはどれか。

a. 半月板形成が認められる。

b. 突然の浮腫と血尿で発症する。

c. 適切な治療がなければ多くが腎不全に至る。

d. 発症機序はⅡ型アレルギーである。

参考問題は106A53

⇒https://minkore.com/bbs_view/106_1_53

解答・解説は次回。