正答率8割問題作ってみた-19 腎臓 《蛋白尿が著明な疾患》

まずは前回の解答・解説から。

10日前の発熱と咽頭痛と経て、昨日から尿量減少と浮腫を呈したとのことから、上気道感染症が先行した急性腎炎症候群(多くは溶連菌感染後急性糸球体腎炎)を想起する。尿素窒素やクレアチニンが高値であることから腎機能が障害されている。Hbが12.6g/dLと貧血が目立つ症例ではないため、急速進行性腎炎症候群は否定的である。また、尿蛋白1+、血清アルブミン4.2g/dLはネフローゼ症候群の診断基準を満たさず、ネフローゼ症候群も否定的である。PAS染色標本から糸球体の腫大、富核(好中球浸潤)を、電子顕微鏡写真からhump(巨大沈着物)も読み取ることができ、診断は、溶連菌感染後急性糸球体腎炎でよいだろう。

a. 半月体形成が認められる。 ⇒半月体形成が認められるのは急速進行性腎炎症候群であり、ANCA関連腎炎やGoodpasture症候群などが挙げられる。

b. 突然の浮腫と血尿で発症する。 ⇒正解。溶連菌感染による咽頭炎から1~2週間後に、突然の血尿(必発)や蛋白尿、浮腫を呈する。緩徐に発症するものではない。

c. 適切な治療がなければ多くが腎不全に至る。 ⇒一般に安静、食事療法で治癒する。場合によっては利尿薬や降圧薬を用いるが腎不全に進行することはほとんどない。

d. 発症機序はⅡ型アレルギーである。 ⇒菌由来の抗原に対する抗体が産生され、血中で形成された免疫複合体が糸球体に沈着する、すなわちⅢ型アレルギーによって発症する。これによって補体は低下が低下することも重要。

 

それでは今日の問題。

15歳の女子。急激な体重増加を主訴に来院した。3日前から顔面と下腿とに浮腫が出現し、急速に増悪してきた。現在までに体重が6kg増加した。身長156cm、体重60 kg。体温36.0℃。脈拍72/分、整。血圧110/76mmHg。全身浮腫が高度である。尿所見:蛋白4+、糖(-)、潜血(-)。血液生化学所見:総蛋白5.0 g/dL、アルブミン2.2 g/dL、総コレステロール320mg/dL、尿素窒素40mg/dL、クレアチニン1.8 mg/dL、尿酸8.0 mg/dL、Na138 mEq/L、K4.4mEq/L、Cl100mEq/L。腎生検のPAS染色標本を別に示す。
この疾患について正しいのはどれか。

a. 尿蛋白の選択性は高い。

b. 補体は低下する。

c. メサンギウムに増殖を認める。

d. 悪性腫瘍を合併しやすい。

参考問題は105I57

⇒https://minkore.com/bbs_view/105_9_57

解答・解説は次回。