正答率8割問題作ってみた-20 腎臓 《中高年の蛋白尿》

まずは前回の解答・解説から。

15歳女子という若年で急性に起こった全身浮腫があり、高度蛋白尿や低アルブミン血症があるにもかかわらず血尿がないこと、低蛋白血症と脂質異常症もあることからネフローゼ症候群を考える。腎組織所見でとくに所見が認められないことから、微小変化型ネフローゼ症候群であろう。ちなみにBUN/Cre>20より腎前性急性腎不全もあることが予想される。

a. 尿蛋白の選択性は高い。 ⇒正解。微小変化型ではチャージバリアのみが障害されているためアルブミンだけが尿に出ていく(=尿蛋白の選択性が高いという)。

b. 補体は低下する。 ⇒補体が低下する腎疾患は、溶連菌感染後糸球体腎炎、膜性増殖性糸球体腎炎、ループス腎炎である。

c. メサンギウムに増殖を認める。 ⇒メサンギウム増殖変化はIgA腎症や膜性増殖性糸球体腎炎の所見。

d. 悪性腫瘍を合併しやすい。 ⇒ネフローゼ症候群を呈する疾患で悪性腫瘍を合併しやすいのは膜性腎症である。

それでは今日の問題。

66 歳の男性。下腿の浮腫を主訴に来院した。6年前から健康診断で蛋白尿を指摘されていたが放置していた。半年前から足部の浮腫を自覚していたが、2週前から足部の浮腫が高度となり、歩行障害もきたしたため受診した。体重が7kg 増加した。息子と娘がいるが、生来健康である。身長 165 cm、体重 70 kg。脈拍 76/分、整。血圧 142/86 mmHg。呼吸数 16/分。両側の下腿と大腿とに浮腫を認める。尿所見:蛋白3+、 糖(-)、潜血(±)、沈渣に赤血球1〜4/1視野、白血球0〜1/1視野。随時尿の尿蛋白/クレアチニン比は4.0 g/gクレアチニン(基準0.15未満)。血液生化学所見:空腹時血糖 80 mg/dL、総蛋白 4.0 g/dL、アルブミン 2.0 g/dL、尿素窒素 24 mg/dL、クレアチニン 1.0 mg/dL、LDL コレステロール 200 mg/dL(基準 65〜139)。 胸部エックス線写真で両側に胸水を認める。腎生検の PAM 染色標本と電子顕微鏡写真とを別に示す。
考えられる腎病変はどれか。

a. Goodpasture症候群

b. 膜性増殖性腎炎

c. 膜性腎症

d. Alport症候群

参考問題は106D21

⇒https://minkore.com/bbs_view/106_4_21

解答・解説は次回。