正答率8割問題作ってみた-237 消化器 《右下腹部痛》

まずは前回の解答・解説から。

舌癌は限局性の早期癌であれば局所切除が原則である。放射線治療、特に密封小線源療法も早期癌の治療に用いられる。進行癌に対しては手術療法(頸部郭清を含めた広域切除・再建術)、化学療法、放射線治療を併用した集学的療法がおこなわれる。今回の症例ではリンパ節転移や遠隔転移がなく限局しているため、手術による根治術が適応される。ただし口腔底まで浸潤しているため、その部分まで切除した後には空間補填のために遊離皮弁による再建術が必要となる。

a.舌の先端部に好発する →間違い。舌癌の約90%は舌縁部にできる。

b.白板症に移行すると予後不良である →間違い。白板症とは粘膜にみられる境界明瞭な白色角化局面で、前癌病変として重要である。喫煙や不良歯牙による慢性的な刺激によって生じる。

c.密封小線源療法で根治する →間違い。口腔底にまで浸潤しているため密封小線源療法のみでの根治は難しい。

d.摘出術と再建が必要である →正しい。その通り。

それでは今日の問題。

70歳の男性。突然の右下腹部痛を主訴に来院した。今朝、右下腹部に、痛みを伴う膨隆があることに気付いた。体温 36.8 ℃。上前腸骨棘と恥骨外縁を結ぶ線の頭側で恥骨結節の 5 cm右外側に径4 cmの膨隆があり、圧痛を認める。右下肢の腫脹と発赤とを認めない。前立腺癌の既往があり、前立腺を全摘している。血液所見:赤血球 435 万、Hb 16.1 g/dl、Ht 44 %、白血球 8,400、血小板 21 万。血液生化学所見:総ビリルビン 0.6 mg/dl、LD 305 IU/l(基準 176〜353)、アミラーゼ 113 IU/l(基準 37〜160)、CK 134 IU/l(基準 30〜140)。CRP 0.2 mg/dl。
正しいのはどれか。

a.臥位で膨隆が消失すれば自然治癒する

b.ハウシップ-ロンベルク徴候陽性となる

c.ヘルニア門の同定が術式決定に必須である

d.前立腺全摘はこの疾患のリスク因子である

参考問題は106I44

→https://minkore.com/bbs_view/106_9_44

解答・解説は次回。