正答率8割問題作ってみた-239 眼科 《耳鳴りと視力低下》

まずは前回の解答・解説から。

陰茎に傷があると訴えており陰茎腹側に無痛性の潰瘍を認めること、長年にわたる多数の異性との性交渉歴があること、STS陽性から、(後天)梅毒を考える。陰茎の無痛性潰瘍は硬性下疳という。STS陽性でTPHA陰性の場合は梅毒感染早期もしくは生物学的偽陽性であるが、今回の症例では素直に前者でよい。硬性下疳がみられ、STS陽性・TPHA陰性であることから梅毒の第1期~第4期のうち第1期であると考えられる。第1期は感染から約3週~約3か月が目安である。また、白血球が減少しており特にリンパ球が減少していることから、梅毒と混合感染しやすいHIV感染も疑われる。

a.約1年前に梅毒に感染したと考える →間違い。上記の通り、梅毒の病期は第1期と考えられるため、感染時期は約3週~約3か月前である。

b.STSは治癒後は陰性になる →正しい。STSは非特異的な非梅毒トレポネーマ抗原使用検査で、梅毒トレポネーマの活動性が反映される。そのため梅毒の治癒後は陰性に戻る(治療の効果判定にも用いられる)。

c.5類感染症の全数把握疾患に分類される →正しい。その通り。5類全数把握疾患で7日以内に届出が必要である。

d.病原体はグラム染色で染まりにくい →正しい。梅毒(トレポネーマ)はスピロヘータ科の細菌であるが、スピロヘータはグラム陰性菌ではあるもののグラム染色では染まりにくい。

それでは今日の問題。

46歳の女性。今朝からの耳鳴りと両眼の視力低下とを主訴に来院した。5日前から微熱と頭痛とが続いている。視力は右0.1(0.8× +3.0D)、左0.08(0.7× +3.5D)。眼圧は両眼とも15 mmHg。結膜、角膜、水晶体および硝子体に異常を認めない。両眼とも前房に細胞を認める。光干渉断層像〈OCT〉では網膜下に浸出液が貯留している像を認める。右眼底写真と右蛍光眼底造影写真とを別に示す。
誤っているのはどれか。

a.発症初期に夕焼け状眼底を認める

b.髄液検査で異常を認める

c.ステロイド全身投与が有効である

d.HLA-DR4陽性例が多い

参考問題は104I71

→https://minkore.com/bbs_view/104_9_71

解答・解説は次回。