正答率8割問題作ってみた-241 耳鼻咽喉科 《頭頚部癌》

まずは前回の解答・解説から。

先行感染を疑う所見がみられたのち、不穏行動を呈している。来院時も体温38.2℃と炎症は存在し、髄膜刺激症状の項部硬直も認める。脳脊髄液所見では初圧の軽度上昇や単核球優位の細胞増多、蛋白軽度高値を認めることからウイルス性髄膜炎が疑われる。髄液糖は通常は血清糖のおよそ2/3程度であるため、血清糖96 mg/dLに対して髄液糖60 mg/dLは正常といえる。糖の低下がみられない点もウイルス性髄膜炎を支持する。画像上では左側頭葉内側~島回にかけて拡散強調画像で高信号を認める。脳浮腫の所見であり、辺縁系脳炎が存在する。ここを好発部位とするウイルスとしてヘルペス属(特に単純ヘルペス)を想起し、その治療を早急に始めることが重要である。

a. JCSでⅠ-3相当である →正しい。自発開眼しており自身の生年月日が言えないことからⅠ-3である。

b. 画像上で扁桃体に異常を認める →正しい。扁桃体は大脳辺縁系の構成要素で情動と本能行動の中枢である。側頭葉前部に存在する。

c. 髄液糖は低値である →間違い。上記の通り。

d. 検査結果を待たずアシクロビルを投与する →正しい。意識障害が出たり治療開始が遅れると致死率が非常に高くなり、救命できたとしても後遺症を残す可能性が高いため、臨床的に原因不明の脳炎様症状で入院した患者あるいは単純ヘルペス脳炎が疑われる場合、検査結果を待たずに早期にアシクロビルを投与することが重要である。

それでは今日の問題。

65 歳の男性。嗄声と嚥下困難とを主訴に来院した。 3 か月前から嗄声が出現し、1 か月前から固形物を飲み込みにくくなった。病変部の生検にて癌の病理診断を得たため、化学放射線療法を行った後に手術療法を行った。背側から展開した摘出標本の写真を別に示す。
この疾患についての説明として誤っているのはどれか。

a.頸部リンパ節転移をきたしやすい

b.鉄欠乏性貧血はリスクファクターである

c.頭頚部癌で最も予後不良である

d.進展すると頸静脈孔症候群をきたす

参考問題は109D28

→https://minkore.com/bbs_view/109_4_28

解答・解説は次回。