正答率8割問題作ってみた-25 内分泌・代謝 《無月経と倦怠感》

まずは前回の解答・解説から。

皮膚乾燥やびまん性の甲状腺腫大、T3↓、T4↓、TSH↑は甲状腺機能低下を示唆する。原発性甲状腺機能低下症ではTRH↑となり、それが高プロラクチン血症も引き起こす。プロラクチンは乳腺に対し乳汁合成を促すのと同時に、性腺に対してはLH↓・FSH↓を介して機能を抑制するように働く。ほかの疾患ではすべてのホルモン動態の説明ができない。

a. Sheehan症候群 ⇒Sheehan症候群でも易疲労感や皮膚乾燥、甲状腺ホルモン低下がみられるが、下垂体前葉機能が全般に低下するためTSHは低値になる。そもそも分娩時の大量出血によって起こるものであるがこの患者は未経妊である。

b. 下垂体腺腫 ⇒機能性腺腫(ホルモン分泌過剰)であれ非機能性腺腫(脳局所圧迫、下垂体前葉機能低下)であれこの患者のホルモン動態を矛盾なく説明できない。

c. 頭蓋咽頭腫 ⇒頭蓋咽頭腫でも性腺機能障害や無月経、易疲労感は認められることがあるが、TSHは低値になる。

d. 甲状腺機能低下症 ⇒正解。説明は上記の通り。

それでは今日の問題。

29歳の女性。全身倦怠感を主訴に来院した。2年前に、分娩時に大量出血し、輸血を受けたことがある。1年前から疲れやすくなり、寒がりと食欲低下とを自覚するようになった。授乳経験はない。分娩後は無月経となっている。身長 162 cm、体重 50 kg。脈拍 60/分、整。血圧 84/60mmHg。心音と呼吸音とに異常を認めない。血 液生化学所見:空腹時血糖 68 mg/dl、総コレステロール 269 mg/dl、AST 26 IU/l、ALT 21 IU/l、CK 297 IU/l(基準 30〜140)、Fe 18 μg/dl、TSH 0.3μU/ml(基準 0.2〜4.0)、FT4 0.6 ng/dl(基準 0.8〜2.2)、コルチゾール 1.6 μg/dl(基準 5.2〜12.6)、エストラジオール 12 pg/mL(基準25~75)。

予測される検査所見はどれか。

a. CRH試験でACTHが増加しない。

b. 好中球が増加している。

c. 血清Kが高値である。

d. TRH試験でGHが増加する。

参考問題は106D37

⇒https://minkore.com/bbs_view/106_4_37

解答・解説は次回。