正答率8割問題作ってみた-260 呼吸器 《呼吸困難》

まずは前回の解答・解説から。

2か月前からの下腿浮腫がみられ、総蛋白↓、血中アルブミン↓、血中総コレステロール↑、尿蛋白3+とネフローゼ症候群を呈している。腎生検の蛍光抗体lgG染色標本で糸球体係蹄壁に沿った顆粒状のIgG沈着が認められ、患者は関節リウマチの治療を行っていることから、関節リウマチ治療薬によって引き起こされた二次性膜性腎症と考える。

a.電顕では上皮細胞足突起の広範な消失を認める →間違い。この所見は巣状分節性糸球体硬化症でみられる。

b.尿蛋白選択性は高い →間違い。膜性腎症でもネフローゼ症候群を呈するが尿蛋白選択性は低い。尿蛋白選択性が高いのは微小変化型ネフローゼ症候群である。

c.低補体血症が特徴的である →間違い。膜性腎症は免疫複合体を形成し糸球体基底膜に沈着するが、このときの補体の消費は緩徐であるため補体低下は認められない。

d.血液凝固能が亢進する →正しい。ネフローゼ症候群では肝臓での蛋白合成が亢進することによって凝固因子の合成も亢進する。従って血液凝固能も亢進する。

それでは今日の問題。

72歳の男性。進行する呼吸困難を主訴に来院した。5年前から体動時の呼吸困難を自覚し、同時期から喀痰を認めた。現在では家族と並んで平地を歩行していても100m歩くと休みを取らざるを得ない。既往歴はない。喫煙は40本/日を50年間。飲酒は機会飲酒。意識は清明。体温 36.4 ℃ 。呼吸数 20/分。脈拍 76/分、整。血圧 126/64 mmHg。尿所見:蛋白(-)、糖(-)。血液所見:赤血球 420万、Hb 14. 7 g/dl、白血球 6,700、血小板 25万。血液生化学所見に異常を認めない。呼吸機能検査:%VC 84 %、%FVC 65 %、%FEV1 40 %、FEV1% 45 %、%RV 140 %、RV/TLC 50 %、%DLCO 40 %、動脈血ガス分析(自発呼吸、room air) :pH 7.36、PaO₂ 52 Torr、PaCO₂ 48 Torr、HCO₃⁻ 24 mEq/l。

この症例について正しいのはどれか。

 

a.在宅酸素療法が保険適用される

b.病変は肺胞に限局する

c.H-J分類でⅣ相当である

d.死因は合併する心不全が最多である

参考問題は104B53

→https://minkore.com/bbs_view/104_2_53

解答・解説は次回。