正答率8割問題作ってみた-263 血液 《腹部膨満感》

まずは前回の解答・解説から。

顔面、体幹および四肢に紅斑が出現しており、加えて筋力低下も訴えていることから皮膚筋炎を疑う。上眼瞼と四肢関節背面を中心に紅斑がみられるとのことだが、前者はヘリオトロープ疹、後者はGottron徴候と考えられる。画像では膝関節の伸側面に赤紫色の皮疹がありこれは皮膚筋炎に特異的な皮疹である。また、病理組織標本では角質の増殖(=鱗屑)と真皮へのリンパ球主体の炎症細胞浸潤を認める。

a.真皮への炎症細胞浸潤を認める →正しい。その通り。

b.筋原性酵素のCKは治療効果判定に有効である →正しい。血清中の筋原性酵素であるCK、アルドラーゼ、AST、ALT、LDは高値を示す。特にCKは治療効果判定の指標として最も重要である。

c.合併症としては腎症状よりも肺症状の方が多い →正しい。多発筋炎/皮膚筋炎ではそもそも原則として腎障害は生じない。

d.抗TIF1-γ抗体陽性例では肺症状が重症化しやすい →間違い。抗TIF1-γ抗体陽性例は悪性腫瘍の合併リスクが高いことが重要である。一方で間質性肺炎といった肺症状は低率であり、特に重症化することは極めてまれである。

それでは今日の問題。

67歳の女性。3か月前からの腹部膨満感を主訴に来院した。脈拍76/分、整。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部はやや膨隆し、右肋骨弓下に肝を 3 cm、左肋骨弓下に脾を 5 cm触知する。血液所見:赤血球 360万、Hb 10.5 g/dl、Ht 32 %、白血球 18,700(骨髄芽球 1 %、好中球 58 %、好酸球 5 %、好塩基球 1 %、単球 5 %、リンパ球 30 %、赤芽球 4個/100白血球)、血小板 65万。末梢血塗抹標本で巨大血小板を認め、骨髄穿剌はdry tapであった。骨髄の生検組織のH-E染色標本と鍍銀染色標本とを別に示す。
正しいのはどれか。

a.NAPスコアは低下する

b.90%以上の症例にJAK2遺伝子変異を認める

c.エリスロポエチン投与を行うべきである

d.生検は診断の必須項目である

参考問題は105D44

→https://minkore.com/bbs_view/105_4_44

解答・解説は次回。