正答率8割問題作ってみた-265 消化器 《肝腫瘤》

まずは前回の解答・解説から。

画像より、MRI T1強調像ではnidusと拡張した血管(流出静脈)=flow voidがみられる。頸動脈造影でも頭頂葉にnidusが確認できる。これらは脳動静脈奇形の典型像である。発作性に頭痛やしびれが生じているのはnidusによる盗血現象の結果生じていると考えられる。

a.盗血現象が生じる →正しい。盗血現象とは、血管抵抗の大小があるときに血管抵抗の小さい血管に多くの血液が流れることで、血管抵抗の大きい毛細血管に動脈血がいきわたらず、酸素・栄養が供給されなくなることである。

b.STA-MCA吻合術が有効である →間違い。これはもやもや病の治療法である。

c.二次性くも膜下出血の原因になる →正しい。その通り。くも膜下出血の原疾患として最多は脳動脈瘤、次いで脳動静脈奇形である。

d.先天性の疾患である →正しい。その通り。

それでは今日の問題。

58歳の男性。肝腫瘤の精査のため来院した。3年前に上行結腸癌で結腸右半切除術を受けた。腹部超音波検査で肝に孤立性腫瘤が初めて検出された。血液所見:赤血球 385万、Hb 11. 5 g/dl、白血球 4,200、血小板 18万。血液生化学所見:総蛋白 7.0 g/dl、アルブミン 4.6 g/dl、ZTT 9. 8(基準4.0~14.5)、総ビリルビン 0.9 mg/dl、AST 20 IU/l、ALT 28IU/l、ALP 350 IU/l(基準260以下)、γ-GTP 48 IU/l(基準8~50) 。免疫学所見:HBs抗原陰性、HCV抗体陰性、AFP 8 ng/ml(基準20以下)、CEA 22 ng/ml(基準5以下)。胸腹部CTで肝左葉に径 6 cmの腫瘤性病変を1個認めるが、肺を含めその他の臓器には異常を認めない。
誤っているのはどれか。

a.経肝動脈性転移を考える

b.腺癌である可能性が高い

c.外科的切除の適応がある

d.ダイナミックCT動脈相でリング状濃染がみられる

参考問題は102D35

→https://minkore.com/bbs_view/102_4_35

解答・解説は次回。