正答率8割問題作ってみた-267 腎臓 《息切れ・食欲不振》

まずは前回の解答・解説から。

高齢女性で肩、頸部、骨盤帯、大腿の筋肉痛・こわばりが生じている。加えて赤沈やCRP値より炎症所見を認めているが、筋原性酵素は正常で手指などの小関節症状もないこと、そしてリウマトイド因子陰性より筋炎や関節リウマチは否定的である。このように、高齢女性に発症した近位部の筋肉痛やこわばりで炎症所見のみ(+)で筋原性酵素、自己抗体陰性の場合はリウマチ性多発筋痛症が疑われる。

a.筋力低下はみられない →正しい。筋肉痛やこわばり、微熱、全身倦怠感、体重減少といった症状は出るが、筋力低下は見られない。

b.症状の強さは日内変動する →正しい。特にこわばりは朝にみられ、これは1時間以上持続する。

c.合併症が無ければステロイドパルスを行う →間違い。リウマチ性多発筋痛症単独に対しては少量のステロイドが著効する。リウマチ性多発筋痛症の合併症として重要なのが巨細胞性多発動脈炎であり、これを合併しているときは大量の副腎皮質ステロイド治療を早期に開始することが眼症状の予後につながる。

d.X線にて骨破壊像は認めない →正しい。その通り。

それでは今日の問題。

64 歳の女性。息切れと食欲不振とを主訴に来院した。40年間健診で蛋白尿と尿潜血、高血圧を指摘されていたが受診はなかった。2か月前に両下肢の浮腫が出現し、次第に増強してきた。1週前から歩行時の息切れを自覚し、3日前から食欲がなくなったため受診した。身長 164 cm、体重 66 kg。脈拍 104/分、整。血圧 174/104 mmHg。呼吸数 20/分。SpO2 84 %(room air)。マスクで酸素投与(6l/分) を開始した。眼瞼結膜は蒼白。聴診で収縮期心雑音を聴取し、呼吸音は減弱している。腹部は平坦、軟である。両下肢に圧痕を伴う高度な浮腫を認める。尿所見:蛋白3+、潜血2+。血液所見:赤血球 224 万、Hb 7.2 g/dl、Ht 20 %、白血球 7,000、血小板 16 万。血液生化学所見:アルブミン 2.4 g/dl、尿素窒素 102 mg/dl、クレアチニン 9.2 mg/dl、Na 130 mEq/l、K 6.8 mEq/l、Cl 102 mEq/l。動脈血ガス分析(自発呼吸、6l/分酸素投与下):pH 7.18、PaCO2 36 Torr、PaO2 98 Torr、HCO₃⁻ 13 mEq/l。胸部エックス線写真を別に示す。

誤っているのはどれか。

a.総コレステロール高値が予想される

b.貧血は透析により速やかに改善される

c.基礎疾患として慢性糸球体腎炎を疑う

d.代謝性アシドーシスをきたしている

参考問題は106A42

→https://minkore.com/bbs_view/106_1_42

解答・解説は次回。