正答率8割問題作ってみた-272 神経 《複視と不眠》

まずは前回の解答・解説から。

2週間前に咽頭痛と発熱があり、それから前傾部の疼痛を訴えていることから、先行感染の存在とそれに起因する甲状腺の炎症を疑う。TSH↓、T3とT4が↑より甲状腺中毒症を呈しており、触診で甲状腺右葉下極が腫大して圧痛と自発痛もあることから、亜急性甲状腺炎を疑う。亜急性甲状腺炎は、ウイルス感染による甲状腺炎と言われており、濾胞破壊によって一過性の甲状腺中毒症状を呈する。

a.腫大部の圧痛は移動性がある →正しい。経過とともに葉をまたいで移動することが多いとされる。

b.甲状腺シンチの摂取率が上昇する →間違い。接種率は低値となる。

c.数か月で自然に治ることが多い →正しい。その通り。ただし炎症所見が強いときには副腎皮質ステロイドが、軽症例ではNSAIDsが用いられる。

d.診断にエコー検査が有用である →正しい。エコー検査では疼痛部に一致した境界不明瞭な低エコー領域がみられる。

それでは今日の問題。

64歳の女性。複視と不眠を主訴に来院した。2か月前から夕方になると瞼が重くなり、物が二重に見えるようになった。1か月前から、疲れているときに水分を慌てて飲むと鼻に逆流することを自覚した。症状は夕方になると悪化する傾向があり、不眠が続いていたという。既往歴に特記すべきことはない。抗AChR抗体が陽性であった。胸部エックス線検査で右肺門部に腫瘤影を認めたため、胸部造影CTを撮影した(画像を以下に添付)。
正しいのはどれか。

a.関節リウマチの治療薬は病因の一つである

b.外科的処置は不要である

c.治療としてエドロホニウムが有用である

d.誘発筋電図では高頻度刺激で振幅が漸増する

参考問題は114D15

→https://minkore.com/bbs_view/114_4_15

解答・解説は次回。