正答率8割問題作ってみた-274 産婦人科 《出産時の出血》

まずは前回の解答・解説から。

発熱、全身の皮疹、顔面紅斑、そして口周囲と鼻周囲に紅斑・鱗屑、黄色痂皮を認めることから、ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群(SSSS)を考える。ここまでの症状からはSteaven-Lohnson症候群も考えられるが、このS-J症候群は粘膜疹を認めることが特徴であり、当症例では眼粘膜と口腔粘膜に異常を認めないことから否定される。ASOが基準値以下であることから溶連菌感染も否定できる。よってSSSSと診断する。

a.外毒素によるものである →正しい。黄色ブドウ球菌が産生する外毒素のexfoliatinA,Bが表皮剥奪毒素であり、デスモグレイン1を切断することで引き起こされる。

b.Nikolsky現象は陽性になる →正しい。Nikolsky現象とは一見健常に見える皮膚に機械的刺激を加えるとその表層が剥離する現象であり、SSSSでは陽性になる。

c.早期にステロイド全身投与を行う →間違い。S-J症候群をはじめ薬疹であれば正しいが、SSSSに対しては抗菌薬による治療が正しい。

d.表皮に棘融解がみられる →正しい。aに記載した機序による。

それでは今日の問題。

42歳の初産婦。妊娠38週5日に陣痛発来し入院となった。その後、鉗子分娩で 3,200 gの女児を娩出した。頸管裂傷を認め縫合したが、非凝固性の出血が持続し、分娩後30分で出血量は 1,500 ml を超えている。顔面は蒼白で発汗を認める。意識レベルは JCSⅠ-1。身長 158 cm、体重 62 kg。体温 37.2 ℃。脈拍 128/分、整。血圧 78/48 mmHg。子宮底は臍上 3 cm に触知し子宮収縮は不良であった。血液所見:赤血球 330 万、Hb 8.9 g/dl、Ht 27 %、白血球 12,200、血小板 9.2万、PT 30 秒(基準10~14)、血漿フィブリノゲン 50 mg/dl(基準 200~400)、血清FDP 135 μg/ml(基準10以下)、Dダイマー 80 μg/ml(基準1.0以下)。
正しいのはどれか。

a.総出血量は2.5 L以上と推定する

b.白血球増多は母体の細菌感染を強く示唆する

c.ヘパリンが第一選択薬である

d.TATは低値を示す

参考問題は108I59

→https://minkore.com/bbs_view/108_9_59

解答・解説は次回。