正答率8割問題作ってみた-38 血液 《細胞表面マーカー》

まずは前回の解答・解説から。

顔色不良や胸骨右縁第3肋間の収縮期雑音、血液所見より貧血であることがわかる。MCV≒91fL、MCHC≒33%より正球性正色素性貧血である。眼球結膜が黄染し、網赤血球が高値、間接ビリルビン高値、LD高値、ハプトグロビン低値より溶血性貧血である。脾腫もみられることから血管外溶血が疑われる。直接Coombs試験陰性より、自己免疫性溶血性貧血は否定的。末梢血塗抹May-Giemsa 染色標本で、色が濃い球状の赤血球(球状赤血球spherocyte)がみられることから遺伝性球状赤血球症と診断する。

a.両親のどちらかも罹患している。 ⇒正解。遺伝性球状赤血球症は常染色体優性遺伝である。

b.寒冷地で起こる。 ⇒寒冷地で起こる貧血は冷式AIHAである。直接Coombs試験陰性より考えにくい。

c.血管内溶血である。 ⇒遺伝性球状赤血球症は血管外溶血をきたす。血管内溶血をきたす疾患としては発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)や赤血球破砕症候群がある。

d.NAPスコアは低値である。 ⇒NAPスコアが低値になるのはPNHやCML慢性期など。

それでは今日の問題。

58歳の女性。血尿を主訴に来院した。1週間前に家族から顔が黄色いといわれ、そのころから血尿を自覚した。3日前から尿の赤みが増し、倦怠感もあるため受診した。血尿は特に朝にみられるという。体温36.3℃。眼瞼結膜は貧血様だが眼球結膜に黄染を認めない。心基部に収縮期雑音を聴取する。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。血液所見:赤血球287万、Hb7.2 g/dL、Ht25%、網赤血球3.3%、白血球5,400(桿状核好中球5%、分葉核好中球58%、好酸球2%、単球6%、リンパ球29%)、血小板23万。血液生化学所見:総蛋白6.7 g/dL、アルブミン4.0g/dL、総ビリルビン2.4mg/dL、AST 20 U/L、ALT18 U/L、LD2,643 U/L(基準176~353)、尿素窒素19mg/dL、クレアチニン0.7mg/dL、尿酸3.2mg/dL。CD55とCD59が陰性の赤血球を認める。
この疾患について正しいのはどれか。

a. ビタミンB12低下がみられる。

b. 赤血球浸透圧抵抗性が低下している。

c. 直接Coombs試験陽性である。

d. 合併症として血栓症がある。

参考問題は111I63

→https://minkore.com/bbs_view/111_9_63

解答・解説は次回。