正答率8割問題作ってみた-40 血液 《造血器腫瘍と合併症》

まずは前回の解答・解説から。

症状から貧血と易感染性の存在が推測される。血液所見を見てみると、赤血球は減少し、白血球は大幅に増加している。白血球の86%が異型細胞であるから、白血球の増加はこれによるもである。血小板は減少している。つまり、赤血球↓、正常白血球↓、血小板↓の汎血球減少から異型細胞による白血球↑がみられているということである。骨髄血塗抹標本では同じような異常細胞が増殖していることから急性白血病と診断できる。ただし、細胞質に顆粒は認められず、これだけで骨髄系かリンパ系かの判断はできない。

a. 血中EPO濃度測定 ⇒赤血球増加症の鑑別に用いられる。例えばEPO↓ならば真性赤血球増加症を、EPO↑ならば二次性の赤血球増加(COPDや先天性心疾患、EPO産生腫瘍など)を想定できる。

b. 骨髄細胞のMPO染色 ⇒正解。骨髄穿刺を行い、まずはMPO染色で骨髄系かリンパ系かという診断を確定しなければさらに細かい病型分類ができず、治療法も決定できない。

c. 骨髄生検 ⇒骨髄の細胞密度や腫瘍の骨髄浸潤の確認をする場合や、dry tap時に行う。

d. リンパ節生検 ⇒リンパ系腫瘍に対して行うが、まだ骨髄系かリンパ系か判断できていない。また、そもそもリンパ節腫脹がないことからリンパ系腫瘍は考えにくい。

それでは今日の問題。

38歳の女性。全身の皮下出血と鼻出血とを主訴に来院。3日前に手足の皮下出血に気づき、昨日からは鼻出血が止まらなくなった。既往歴に特記すべきことはない。意識は清明。体温37.6℃。脈拍92/分、整。血圧98/60mmHg。眼瞼結膜に貧血を認める。口腔粘膜に点状出血が散在し、咽頭発赤を認める。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、右肋骨弓下に肝を1cm触知する。脾は触知しない。両側下腿に点状出血を認める。血液所見:赤血球330万、Hb10. 2 g/dl、Ht33 %、白血球1,800 (桿状核好中球6%、分葉核好中球58%、好酸球2%、単球12 %、リンパ球22%)、血小板2.8万。骨髄血塗抹May-Giemsa染色標本を別に示す。
合併症として注意すべきものはどれか。

a. 萎縮性胃炎

b. Raynaud現象

c. 播種性血管内凝固

d. HTLV-1関連脊髄症

参考問題は105D48

→https://minkore.com/bbs_view/105_4_48

解答・解説は次回。