正答率8割問題作ってみた-47 消化器 《胃切除後の合併症》

まずは前回の解答・解説から。

嚥下困難が2か月前から徐々に進行していること、体重が短期間に大きく減少していることから、比較的短期間に進行する消耗性病態、特に悪性疾患を考える。固形物が飲み込みにくいという症状は食道の器質的狭窄を示唆している。逆に、例えば冷たい水分の嚥下困難とくれば食道癌よりもまずは食道アカラシアを考える。悪性腫瘍による器質的狭窄が疑われるが、神経疾患など機能的障害でないことを確認するためにも内視鏡所見が重要である。内視鏡所見では境界明瞭な周堤を有する潰瘍性病変が左側半周に認める。大きな不整潰瘍であることからも悪性腫瘍と考えられる。転移がないことから治療はまず外科的切除を考える。

a. 肺動脈に浸潤しやすい ⇒間違い。正常の胸部CT像等で確認してもらいたいが、肺動脈や上大静脈は食道と直に接していないため浸潤しにくい。逆に肺静脈は食道と接しているため浸潤しやすい。

b. 手術は右開胸で行う ⇒正しい。左側には大動脈が存在するため、食道全長を確認できる右開胸で行われることが多い。

c. 肝臓へ血行性転移する ⇒正しい。解剖学的に肝臓へは左胃静脈を介して転移することもチェック。門脈圧亢進に伴う食道静脈瘤は左胃静脈を逆流した血液によるものであることと併せて覚えておこう。

d. 好発部位は胸部中部である ⇒正しい。中部食道、下部食道、上部食道の順に好発する。

それでは今日の問題。

46歳の男性。脱力感を主訴に来院した。3か月前、胃癌のため胃全摘術を受けた。1か月前から食後2、3時間すると脱力感が出現し、動悸、冷汗および手指振戦を認めるようになった。意識は清明。身長172cm、体重62kg。脈拍72/分、整。血圧134/86mmHg。眼瞼結膜に貧血を認めない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は在中部に手術創瘢痕を認め、平坦、軟で、肝・脾を触知しない。
患者に対する説明として誤っているのはどれか。

a. 「間食は症状を改善します」

b. 「症状は低血糖によるものです」

c. 「食事の糖質を増やしましょう」

d. 「胆石症になるリスクが高いです」

参考問題は104G45

→https://minkore.com/bbs_view/104_7_45

解答・解説は次回。