正答率8割問題作ってみた-48 消化器 《急性腹症》

まずは前回の解答・解説から。

胃全摘後で食後に一過性に生じる病態である、ダンピング症候群を考える。ダンピング症候群には食後2~30分で生じる早期ダンピング症候群と、食後2~3時間で生じる後期ダンピング症候群があり、この症例では後期ダンピング症候群を呈している。後期ダンピング症候群は食後高血糖によるインスリンの過剰分泌が原因であり、低血糖症状として発汗、動悸、振戦などがみられる。

a. 「間食は症状を改善します」 ⇒正しい。1回の食事量を減らし、食事回数を増やすことで低血糖発作を抑えることができる。

b. 「症状は低血糖によるものです」 ⇒正しい。上記の通り。

c. 「食事の糖質を増やしましょう」 ⇒間違い。後期ダンピング症候群の低血糖症状に対しては糖質の投与が有効であるが、後期ダンピング症候群の契機は食後高血糖によるものであるため、食事に関しては糖質を制限し、高脂質・高蛋白食にすることが望ましい。

d. 「胆石症になるリスクが高いです」 ⇒正しい。手術による迷走神経切離やホルモン(CCKなど)分泌の変化により胆嚢収縮能が低下し、胆汁うっ滞や胆道感染から結石を形成することがある(ビリルビン結石が多い)。

それでは今日の問題。

45 歳の女性。腹痛を主訴に来院した。今朝から心窩部痛と悪心があり、市販の胃腸薬を内服するも改善がみられず、午後には痛みが右下腹部に限局してきた。 歩くと腹壁に痛みが響き、立ち止まらずにはいられないほどになったため受診した。妊娠の可能性はないという。体温 38.0 ℃。脈拍 92/分、整。血圧 112/70 mmHg。呼吸数 18/分。腹部は平坦で、右下腹部に圧痛と反跳痛とを認める。腸雑音は低下している。肝・脾を触知しない。 尿所見:蛋白(-)、糖(-)、潜血(-)。血液所見:赤血球 471 万、Hb 14.5 g/dL、 Ht 42 %、白血球 14,800、血小板 32 万。血液生化学所見:総ビリルビン 1.3 mg/dL、 AST 15 IU/L、ALT 15 IU/L、ALP 154 IU/L(基準 115〜359)、 γ-GTP 10 IU/L(基準 8 〜50)、アミラーゼ 35 IU/L(基準 37〜160)、尿素窒素 22 mg/dL、クレアチニ ン 0.6 mg/dL、血糖 112 mg/dL。CRP 3.4 mg/dL。腹部超音波検査は腸管ガスにて所見は不明瞭であった。腹部単純 CTを別に示す。
正しいのはどれか。

a. 体外衝動波結石破砕術が有効である

b. 白血球は核の左方移動を伴う

c. 右側臥位でRosenstein徴候陽性になる

d. 炎症は臓側腹膜に限局する

参考問題は109A35

→https://minkore.com/bbs_view/109_1_35

解答・解説は次回。