正答率8割問題作ってみた-57 消化器 《右季肋部痛》

まずは前回の解答・解説から。

日本酒5合を毎晩飲酒しているというエピソードからアルコール性肝障害を考える。心窩部に肝臓を4cm触知し、左肋骨弓下に脾を3cm触知するということより肝脾腫が存在しているとわかる。AST134IU/L、ALT98IU/L、ALP420IU/L、γ-GTP757IU/L、血小板8.7万、アルブミン2.8g/dLといった検査所見から、アルコール性肝炎からの肝硬変が進行していると思われる。

a. β酸化は亢進している ⇒間違い。アルコール代謝はβ酸化と拮抗する。つまりアルコールが過剰な状態では肝臓におけるβ酸化が抑制されることにより肝臓に脂肪が蓄積し、脂肪肝となる。

b. 血清IgAが高値になる ⇒正しい。アルコール性肝障害では約50%の症例で血清IgA値の上昇がみられる。

c. 合併症として慢性硬膜下血腫がある ⇒正しい。アルコール性肝障害の合併症として、肝性脳症、Wernicke脳症、慢性硬膜下血腫などが重要である。

d. 肝組織に好中球が浸潤する ⇒正しい。肝生検では、肝細胞の膨化(風船様変化)、Mallory-Denk体、好中球浸潤などを認める。

それでは今日の問題。

66 歳の女性。上腹部痛を主訴に来院した。昨日の夕食後から上腹部痛が出現し、 本日の昼から増悪してきたため夕方に受診した。高血圧症と脂質異常症とで内服治療中である。身長 155 cm、体重 58 kg。体温 38.2 ℃。右季肋部に強い圧痛を認めるが、反跳痛はない。血液所見:赤血球 448 万、Hb 13.8 g/dL、Ht 37 %、白血球15,800、血小板 28 万。血液生化学所見:総ビリルビン 0.9 mg/dL、AST 28 IU/L、 ALT 18 IU/L。CRP 9.8 mg/dL。腹部造影 CTを別に示す。
正しいのはどれか。

a. メトロニダゾールが有効

b. 原因はC型肝炎が最多である

c. 閉塞性黄疸をきたすことがある

d. 胞状物内は大部分が血液である

参考問題は109I80

→https://minkore.com/bbs_view/109_9_80

解答・解説は次回。