正答率8割問題作ってみた-60 免疫 《関節腫脹・疼痛》

まずは前回の解答・解説から。

16歳という若年男性がパンを食べて運動をした後に急に循環不全症状、皮膚症状、呼吸器不全が出現している。皮疹は蕁麻疹であり、アレルギー性機序を強く疑う。同時に呼吸器症状と循環不全症状を呈したショック状態であり、パンまたは運動単独では症状が出現していなかったことから、パン(小麦)が原因である食物依存性運動誘発アナフィラキシーと診断される。

a. アドレナリン筋注が必要である ⇒正しい。アナフィラキシーショックに対しては、気道と静脈路を確保するとともにアドレナリン筋注が大切である。

b. 原因食として卵が多い ⇒間違い。一般的な食物アレルギーのアレルゲンとしては卵の頻度は高いが、食物依存性運動誘発アナフィラキシーの原因食物は小麦や甲殻類が多い。

c. 食後2時間以内の運動が誘因になる ⇒正しい。特定の食物摂取後、2時間以内に運動することにより、アナフィラキシーが誘発される。原因食物の摂取後2時間は運動を禁止する必要がある。

d. IgE依存性である ⇒正しい。食物アレルギーのうちIgE非依存性なのは「新生児・乳児消化管アレルギー」である。

それでは今日の問題。

25歳の女性。関節痛を主訴に来院した。1年前から両側の手関節と中手指節関節の腫脹と疼痛とを自覚するようになった。3か月前から関節痛が増悪し、1か月前からは家事をすることが困難となったため受診した。挙児希望はない。両側手関節および両側示指と中指の中手指節関節に腫脹と圧痛とを認める。皮疹は認めない。血液所見:赤血球430万、Hb 12.5 g/dL、Ht38%、白血球8,300、血小板23万。血液生化学所見: AST 14U/L、ALT18 U/L、LD204 U/L(基準176~353)、ALP258 U/L(基準115~359)、尿素窒素10mg/dL、クレアチニン0.5mg/dL。免疫血清学所見:CRP 3.1mg/dL、リウマトイド因子〈RF〉72IU/mL (基準20 未満)、抗CCP 抗体151U/mL(基準4.5未満) 。胸部エックス線写真で異常を認めない。両手エックス線写真を別に示す。
誤っているのはどれか。

a. DIP関節が優位に侵される

b. 挙児希望の有無は治療方針に影響する

c. 血中補体価は高値になることが多い

d. 関節液の粘稠度は低下する

参考問題は111I58

→https://minkore.com/bbs_view/111_9_58

解答・解説は次回。