正答率8割問題作ってみた-63 免疫 《皮疹が特徴的な疾患》

まずは前回の解答・解説から。

胸焼けは逆流性食道炎の症状、寒冷時の指の変色はRaynaud現象、両手指・手背および前腕の皮膚がつまめないのは皮膚の硬化によるもの、両手の指腹の小潰瘍、これらはすべて強皮症の所見である。画像では、褐色で光沢を帯びた皮膚や右の人差し指と中指の出血斑が確認でき、強皮症に特徴的な所見であるといえる。抗核抗体陽性所見も強皮症を示している。強皮症の症状・合併症として仮面用顔貌、ソーセージ様手指、肺線維症・肺高血圧症、線維性心筋炎、Raynaud現象、関節痛、強皮症腎(腎クリーゼ)などがあげられる。強皮症の死因として、肺線維症による呼吸不全、腎不全(悪性腎硬化症)、心不全、不整脈による突然死が挙げられる。

強皮症で陽性になる可能性がある抗核抗体は、抗Scl-70抗体(抗トポイソメラーゼ抗体)、抗RNAポリメラーゼⅢ抗体、抗U1-RNP抗体、抗セントロメア抗体である。

a. 副腎皮質ステロイド ⇒皮膚病変に対する治療薬。しかし強皮症腎の誘因となりうるため注意して使用する必要がある。

b. シクロホスファミド ⇒肺線維症に対する治療薬。強皮症における肺病変は予後不良であるため、診断がつき次第速やかな治療が求められる。

c. ACE阻害薬 ⇒腎クリーゼに対する治療薬。肺病変と同じく腎病変も予後不良であり、迅速な治療が必要。

d. プロトンポンプ阻害薬 ⇒GERDに対する治療薬。予後を規定するとは言えない。

それでは今日の問題。

40 歳の女性。皮疹と全身倦怠感とを主訴に来院した。3か月前から顔面、両肘および両手に皮疹が出現した。2週前から四肢の脱力、筋肉痛および全身倦怠感を認めた。意識は清明。身長 158 cm、体重 52 kg。体温 37.2 ℃。脈拍 72/分、整。 血圧 120/84 mmHg。呼吸数 28/分。赤沈 38 mm/1 時間。血液所見:赤血球 420 万、Hb 11.5 g/dl、Ht 40 %、白血球 4,700、血小板 28 万。血液生化学所見:CK 1,404 IU/l(基準 30〜140)。免疫学所見:CRP 0.4 mg/dl、抗核抗体 80 倍(基準 20 以下)。顔面と手の写真を別に示す。
この疾患ついて誤っているのはどれか。

a. 腎障害を高頻度に合併する

b. 上部内視鏡検査が大切である

c. 筋生検でリンパ球浸潤を認める

d. 筋力低下は近位筋中心である

参考問題107I71

→https://minkore.com/bbs_view/107_9_71

解答・解説は次回。