正答率8割問題作ってみた-75 神経 《物忘れ》

まずは前回の解答・解説から。

夕方になると…というエピソードは日内変動があることを表す。物が二重にみえるのは外眼筋障害によるもの、瞼があけにくくなったのは眼瞼下垂があることを示す。右側に眼瞼下垂と外転制限があるということは右の動眼神経と外転神経が同時に障害されているということである。両上肢近位筋にも筋力低下があることから全身型の重症筋無力症を疑い、エドロホニウムテスト陽性であることと抗アセチルコリン受容体抗体↑より確定診断となる。造影CT像では、胸腺腫のようなものがうつっていることが分かる。

a.コリンエステラーゼ阻害薬投与 ⇒適切。神経筋接合部の伝達障害を改善させる。ただしあくまで対症療法である。

b.アミノグリコシド系抗菌薬投与 ⇒禁忌(~慎重投与)。神経筋接合部を阻害する作用がある。他にもマクロライド系抗菌薬やダントロレン、睡眠薬(ベンゾ、非ベンゾ)、ペニシラミンなど投与が禁忌~慎重投与とされる薬は多い。クリーゼの原因にもなる。

c.外科手術 ⇒適切。根治的に拡大胸腺摘除術が行われる。

d.インフルエンザワクチン接種 ⇒必ずしも行うものではないが、行っても問題はない。重症筋無力症の治療で免疫抑制剤を服用中は、インフルエンザワクチンのような不活化ワクチンであれば問題ないが、麻疹、風疹などの生ワクチン接種は禁忌である。

それでは今日の問題。

70歳の男性。物忘れと動作緩慢を心配した娘に伴われて来院した。3年前に妻と死別し、現在は娘夫婦と同居している。1年前から物忘れを自覚していた。半年前から「妻が赤い服を着て現れる」と言うようになった。表情は乏しく動作も緩慢である。暗算をさせると右手がふるえて、手関節に筋強剛がみられる。Mini-Mental State Examination〈MMSE〉では15点(30点満点)である。
予想される事象として誤っているのはどれか。

a.リスペリドン投与で幻覚症状軽減

b.MIBG心筋シンチグラフィで取り込み低下

c.脳波検査で後頭葉に徐波

d.認知機能の日内変動

参考問題は105I66

→https://minkore.com/bbs_view/105_9_66

解答・解説は次回。