正解率8割問題作ってみた-24 内分泌・代謝 《無月経の鑑別》

まずは前回の解答・解説から。

顔貌と手指の写真が特徴的。弓部の膨隆や鼻翼の拡大、口唇の拡大、下顎の突出、手指の腫脹より先端巨大症が考えられる。手のしびれは手根管症候群であり、手根管症候群や耐糖能異常、高血圧、声の低音化はすべて過剰な成長ホルモンによる先端巨大症の合併症である。先端巨大症の診断は、①成長ホルモン過剰分泌をみる各負荷試験、②IGF-1測定、③頭部MRIによってなされる。本問では75gOGTT負荷試験を行っているが、他にドパミン負荷試験やTRH試験、GnRH試験などがある。それぞれの試験を行った時の予想される検査所見も確認しておこう。先端巨大症の治療は、基本的に第一選択は経蝶形骨洞手術(Hardy手術)である。何等かの理由で手術ができない場合や手術後の残存腫瘍に対して薬物治療がなされる。

a. ドパミン受容体拮抗薬 ⇒ドパミンは正常時では成長ホルモン産生を亢進させる。よってこの選択肢は正しいように思える。しかし、実はドパミンは、成長ホルモン産生腫瘍に対しては抑制的に働き成長ホルモン産生を抑制するのである。

b. インスリン ⇒インスリンで成長ホルモン分泌を抑えることはできない。むしろインスリンによる血糖値低下は成長ホルモンのさらなる分泌の刺激になる。

c. ドパミン作動薬 ⇒正解。選択肢aの説明のとおり。

d. ソマトメジンC ⇒IGF-1ともいう。成長ホルモンの成長促進作用を仲介するペプチドであり、本症例の治療にはならない。ちなみに名前が似ている(?)ソマトスタチン誘導体のオクトレオチドやランレオチドは成長ホルモン分泌を抑制するため治療薬となる。

それでは今日の問題。

33 歳の女性。未経妊。無月経を主訴に来院した。初経 13 歳。皮膚は乾燥し、びまん性の甲状腺腫大を触知する。両側の乳房を圧迫すると、乳汁分泌が認められる。月経周期は不規則であり、29 歳以降無月経となっていたがそのままにしていた。最近は疲れやすさも自覚するという。血液生化学所見:TSH 350 µU/mL(基準 0.4〜4.0)、LH 0.5 mIU/mL(基準 1.8〜7.6)、FSH 1.3 mIU/mL(基準 5.2〜14.4)、 プロラクチン 79 ng/mL(基準 15 以下)、T3 36ng/mL(基準80~220)、T4 1.8 µg/dL(基準5~12)、エストラジオール 15 pg/mL(基準 25〜75)。
最も考えられるのはどれか。

a. Sheehan症候群

b. 下垂体腺腫

c. 頭蓋咽頭腫

d. 甲状腺機能低下症

参考問題は109A56

⇒https://minkore.com/bbs_view/109_1_56

解答・解説は次回。