【解答集めて合格予測】(山梨日日新聞 2016年4月6日 水曜日)

医師国家試験 集計サイトが人気

山梨大医学部出身の医師が開設した、医師国家試験の解答状況を集計する無料のインターネットサイト「みんコレ」が、利用者数を大きく伸ばしている。受験者が自分の解答を入力すると、全体との一致率からいち早く試験結果が推測できることから、今年の試験では6千人を超える受験者が利用した。解説に携わった医師は今後、同様のサイトを国家試験の受験生が教えあうツールとして進化させ、将来は中学生や高校生らの学習にも波及させる構想を思い描く。根底には「貧困などに由来する子どもの教育格差をなくしたい」との思いがある。

山梨大卒業生開設 6000人が利用

サイトは県立北病院に勤務する医師野田北斗さん(当時30)=昭和町西条=が同大医学部生だった2014年、当時の同級生と2人で作った。野田さんは「回答の発表まで合否が分からず、悶々と過ごす受験者が多かった。自分も試験の結果をすぐに知りたくて、サイトの開設を思いついた」と振り返る。

サイトの利用は完全無料。匿名で自分の解答を入力すると解答状況の集計結果が閲覧できる。問題ごとに、各選択肢の選択率や選択者の総数が表示されるほか、選択率の高い予想正答との一致率などもみられる仕組みだ。

医師の国家試験は毎年2月上旬、3日間にわたって行われ、受験者数は毎年9千人前後。野田さんによるとサイトは毎年改良を加えており、開設した14年には約2千人が利用、15年は約5千人、16年の利用者は6千人を超えた。

「当初は正解を同級生に聞いてまわろうと思ったが、回答を入力できて集計結果を表示できるサイトがあれば、さらにたくさんの解答を集められることに気付いた」という野田さん。コンピューターの扱いが得意な同級生に声を掛け、プログラミングを依頼。野田さんがサイトのデザインや広報活動を担った。

サイトの利点は、自分が試験でどの程度の成績を収めたかが試験当日に分かる即時性。「1日目や2日目の出来が分かれば、次の日の試験を受ける心境も変わる。出来が良ければ安心できるし、出来が悪くても、挽回しようとやる気を出せる」(野田さん)という。

野田さんは今後、医師国家試験対策として、受験生がネット空間に分からない問題を投稿し、分かる人が自由に解答できる仕組みをつくりたいと考えている。最終目標は若者の多くがスマートフォンを持っていることを踏まえ、医師国家試験で培ったノウハウを中学生や高校生の学習支援にも応用することだ。

「ネット空間で互いに教え合う仕組みができれば、貧困などに由来する教育全体の格差是正にも役立つはず」と野田さん。「自己実現に向けて努力できる環境はみんなに必要。教育支援のシステムは多くの人に受け入れられれば、教育のあり方も変わると思っている」と意欲を語った。

<宮川彩乃>

(山梨日日新聞 2016年4月6日 水曜日より)

 

引用元:山梨日日新聞 http://www.sannichi.co.jp/

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