【不屈の志をもって】獨協医科大学埼玉医療センター こころの診療科 近藤忠一 先生④

―医師を目指すことにご家族の反応は?

奥さんのご両親に説明するのが大変でした。やはり生活が不安定になる可能性がありましたからね。財務省勤務の経験を生かして、将来の資金計画を入念に準備してからプレゼンしましたよ。納得してもらえて本当に良かったです。

 

―医学部受験は大変だったのでは?

そうですね。最初は働きながら受験勉強するつもりでいたんですけど、財務省勤めの私にそんな時間があるはずもなく…。退職して、2年間普通の予備校に通って勉強しました。

 

―そもそもどうして医学部に?

財務省に勤めていたころ、本当に忙しかったんですよ。睡眠時間が2時間未満なんてこともざらで、それが続くとみんな心を病んでいくんですよね。ニュースになることはほとんどありませんが、やはり自殺という問題は常に身近にあって過酷な環境でした。

医者を目指したのは、そういう心を病んでしまった人たちの力になりたい、何とかして救いたいという思いからです。だから、最初から精神科志望で医学部に入学しました。

幸い職場の人間関係には恵まれていたので、自分は楽しく仕事が出来ましたし、医者になった今でも未だに交流のある人もいますよ。

 

―他の診療科に惹かれたりはしませんでしたか?

在学中に他の診療科も良いかなと浮気しそうになることもありました。初期研修先では救命救急が興味深いと思ったのですが、年齢のこともありますし、体力的にも厳しいかなと。

やはり医師を志した当初の、精神科医になりたいという気持ちを曲げるほど他の診療科に惹かれることはなかったですね。