医師免許の多様な使い方〜統計解析で生計を立てるお医者さん〜【1/3】

研修医終了後、公衆衛生大学院進学を決めたDr.小俣のお話を伺います!

Dr.小俣とは?

東北大学医学部出身。宮城県栗原中央病院にて研修後、東京大学公衆衛生大学院に進学。現在はコロナのため、一時休学中。

-公衆衛生大学院について教えてください。

公衆衛生のスペシャリストを養成する大学院で、専門職学位課程という特殊な修士課程に相当します。大学院に来る人は看護、歯学、法学からと、様々です。2年間のコースでは1年目に講義、 2年目に研究を行い、MPH(Master of Public Health:公衆衛生学修士)の資格を取得できます。

-入るのは大変でしたか?

大変ではありましたね。倍率は3倍。試験は小論、面接、筆記試験でした。

-公衆衛生で学べることは?

自分が興味を持ったのは、医学統計、臨床疫学(特に医療経済学)です。その分野のほかに学べるのは、医学統計や学生のとき講義で扱われるような医療倫理、法医学、精神保健。その他、医療コミュニケーション、医療情報など多岐に渡ります。

-初期研修をやってから、大学院に進んだ理由は?

初期研修を積むと、臨床医としての経験が積めるというのがかなり大きいと思います。それと、金銭的に生計が立てられて、心に余裕ができます。

-臨床研修することは研究にも役立つということですか?

分析結果を解釈して提案するという点で臨床経験がある方が良いと思います。例えば、数理的に正しくても、臨床的にどこかおかしいということが結果としてありえます。その時に何がおかしいのかを自分で調べて問題を提起できます

-やはり、初期臨床研修を積んでから基礎に行く方がおすすめなのでしょうか?

自分はこれをやるんだ、という強い志を持った人でしたら、最初から研究室に行った方が良いと思うんですが、色々なことに興味があって、まだ決まっていないという場合、実臨床の経験を積むことは良いことだと思います。

-では、大学院2年間でどんなことをやりたいですか?

ひとつは今まで独学でやってきた医療統計の知識を深めさせたいです。もうひとつは、人はどのように意思決定するのかという心理的なプロセスについて興味を持っているので、そのような分野の知見を深められればと思います。

ふたつは全く異なる分野のように思えますが、コロナ禍のなかでも統計学は実社会に応用され、一方で必ずしも理論だけで動かない人々をどのように説得させられるのかということは重要な問題だと感じております。

-具体的に卒業後、どういう職業に就くということなのでしょうか?

正直、全く決まっておりません。もし専門を取得するならば統計などと親和性が高い放射線科は魅力的と感じております。もちろん必ずしも臨床医にこだわっておらず、自分の専門性を活かせるような職を探しているところです。

大学院では、医学統計の知識を深めさせるのと同時に、人の意思決定に関わる分野の知見を深めたい。