研修医メルロの国試対策マニュアル2021【第7回】マッチング中間発表!そして今年も国試問題を本気で当てに行きます!

マッチング中間発表について

先日、マッチングの中間発表がされましたね。
今年のマッチングの傾向はどうだったのでしょうか。

ズバリ「大学病院の人気低迷」だよ!
大学病院の枠自体減っている上に、COVID-19のせいで病院見学に行けない人が多かった人が多く、有名な市中病院に人気が集中したのが一因だよ。

大学病院の中でも、東京や京都大阪は人数をキープしていたけど、地方ではかなり人数が減っているね。
これは地方から東京や京都大阪に集まってくること、地方では市中病院の給料が大学病院より圧倒的に高いことが理由だと考えられるよ。

マッチングは今月で終了!最終希望順位登録は終わったかな?

はい!10月8日までの順位登録は終わりました。結果は10月22日に発表されるのでドキドキです!

あとは祈るのみだね!

そして、結果がどうであれ、国家試験に受からなければ医師にはなれないんだ。読者の皆さんが絶対に合格するよう、今年も本気で問題を当てに行くよ!

今年の医師国試委員を徹底解析!

今年も国試の問題を当てていきましょう!
そもそも、なんで国試委員から推測できるんでしたっけ?

元国試委員の先生のあるリークからきているよ。
国試委員は任命されて1年目の先生は自分の得意分野関連の出題を、2年目以降の先生は国試をバランスよくするためにあらゆる分野の出題を任されているんだ。
つまり、新規国試委員の得意分野を攻略すれば出題を当てることが可能なんだ!

なるほどですね!これはワクワクします。
早速攻略しましょう!

今年は23人を攻略!まずは内科外科から

赤井 靖宏(奈良県立医科大学 総合医療学講座 前医局長、同大学 地域医療学 教授、同大学附属病院 臨床研修センター長)

専門分野:腎臓病学、透析医療、糖尿病、リウマチ・膠原病、医師卒後教育

「データ科学・疫学・臨床医学の融合による日本の保険診療情報(NDB)の全解析」
「HIF-1αの発現抑制による腎間質線維化の治療戦略 」
といったテーマを研究していますね。

臨床研修センター長もやっているこの先生はデータ解析が得意なようだね。腎臓内科と公衆衛生の問題を出しそうだ。

HIF(Hypoxia Inducible Factor; 低酸素誘導因子)は、通常では細胞内が低酸素状態に陥った時に活性化される転写因子であり、HIF-1α と HIF-1β からなるヘテロ二量体だよ。この転写因子は低酸素状態へ順応するため、VEGF、エリスロポエチン、グルコーストランスポーター、糖分解酵素などのタンパク質の転写を促進するんだ。

腎細胞癌などに関わるがん抑制遺伝子であるVHLは、欠損するとHIFを恒常的に活性化するんだ。HIFはVEGFを誘導して血管新生を促していくよ。ソラフェニブやスニチニブなどはVEGFレセプターを阻害するから血管新生を阻害し低酸素状態にすることで抗癌作用を示すよ。
また、mTOR阻害薬はHIFの発現を減少させるためVEGFが減少し、血管新生を阻害するためがん細胞の増殖を抑制するよ。

秋山 暢 (帝京大学医学部付属病院 教授)

専門分野:造血器悪性腫瘍、再生不良性貧血、骨髄形成症候群

「血液細胞におけるミオシンの発現動態とその機能解析」
「イブルチニブと侵襲性真菌感染症」
「発熱性好中球減少症の病態とそのマネジメント」
といった論文を書いていますね。

血液内科の難しそうなことを研究している人だね。

発熱性好中球減少症(FN)は知っているかな?

絶対好中球数が500/mm3未満、もしくは1,000/mm3未満で500/mm3未満になることが予測される状況下で、腋窩温37.5℃以上の状態のことを示すよ。
抗がん剤の副作用による死亡の原因の第1位だよ。国試的には、「抗がん剤使用者の発熱」があったらまず疑おう!
治療はG-CSFで好中球を増やしながら抗菌薬で感染をコントロールしていくんだ。MASCC分類で重症度判定をして抗菌薬をチョイスするから要チェック!

稲森 正彦 (横浜市立大学 医学教育学主任教授)

専門分野:医学教育学、消化器内視鏡、消化器病学、Gastroenterology 特に胃食道逆流症、逆流性食道炎

「 新しいクラスのプロトンポンプ阻害薬の胃内pHに対する初期効果の比較 」
という研究をしているようです。

胃食道逆流症のプロだ。
治療薬はもちろん、PPIとP-CABだね。違いはわかるかな?

PPIはプロトンポンプ阻害薬(商品名:タケプロン、ネキシウム、パリエットなど)だよ。その名の通り、胃の壁細胞にあるプロトンポンプを阻害するんだ。強力な薬だけど、投与後6時間以降と遅くに効果が発現する点、個人差が大きい弱点や、1年間を超える使用では噴門型ポリープの増加や敷石状胃炎の出現などがあるので内視鏡検査が必要になる点に注意。

P-CABはカリウムイオン競合型酸ブロッカー(商品名:タケキャブ)で、PPIよりも強力に胃酸を抑えるよ。個人差が少なく、効果発現も早く、PPIが効きにくい夜間でも効くから最強の薬だね。薬剤説明では胃内のpHが8になる(なんとアルカリ性になる!)グラフが載っているよ。

ただ、胃酸抑制では薬剤、鉄、ビタミンB12などの吸収が悪くなるので注意。

大塚 崇 (東京慈恵会医科大学附属病院 呼吸器外科 診療部長・教授、同大学外科学講座 呼吸器・乳腺・内分泌外科分野教授)

専門分野: 呼吸器外科学、胸部外科学、ライフサイエンス、肺移植

「気管支鏡検査時の急変への対処」
「肺腺癌のリンパ節転移予測因子」
「気管内腫瘍に対する硬性気管支鏡下切除術」
というような研究テーマですね。

この先生は気管支鏡のマスターだ。
気管支鏡は見たことがあるかな?

バルやるよ〜
イーバスに変えて〜
ティビーエルビーやるよ〜

などと聞こえてくるけど意味わかるかな?

BALとは気管支肺洗浄のことだよ。気管支鏡から水を入れて回収するという酷い検査だ(患者は溺れかけるしSpO2も下がることもある)。
正常では9割が肺胞マクロファージ、1割がリンパ球、好中球や好酸球は1%以下だ。
では異常所見をまとめてみよう。
①がん細胞→がん
②好中球上昇→細菌感染症
③リンパ球上昇→過敏性肺炎(CD4<CD8)やサルコイドーシス(CD4>CD8)
④米の研ぎ汁状→肺胞蛋白症

次にTBLBとは経気管支生検のことだ。
気管支から近いところにある病変を直接取りに行くよ。出血や気胸のリスクがあるので注意。

EBUSとは気管支腔内超音波断層法のことだ。気管支鏡から360度の超音波を出して透視できるよ。これも気管支から近い病変に有効だ。

大脇 哲洋(鹿児島大学大学院医歯学総合研究科 教授、同大学附属病院地域医療システム学講座 所長)

専門分野:地域医療学、消化器外科、乳腺内分泌外科、臨床栄養 リスクマネージメント、離島医療、家庭医療

「高齢食道癌症例に対する縦隔鏡補助下食道切除術」
「ハイリスクの食道癌に対する外科治療の選択」
「食道アカラシア合併食道癌の2例 」
といった論文を出しています。

食道がんの鬼だよ。食道癌の外科手術についての論文が多いよ。

食道癌の手術についてまとめておこう。
StageI、II、III(T1b~T3)症例では、手術治療を中心とした治療が選択されるんだ。切除可能なStageII・III胸部食道癌では術前補助化学療法+根治手術が標準的治療になっているよ。術前補助化学療法は5−FU+シスプラチンによる併用療法が標準的治療法だよ。

①頸部食道→頸部食道切除+頸部リンパ節郭清+遊離空腸再建

②胸部食道→右開胸(左には心臓があるから)+胸腹部食道切除+頸部〜腹部のリンパ節郭清+胃を上へ引っ張ってきて再建

③腹部食道→開胸・開腹+腹部食道摘出+腹部リンパ節郭清+胃を上へ引っ張ってきて再建(様々な術式がある)

化学療法の際に放射線療法も併用することがあるよ!

菊地 利明(新潟大学大学院医歯学総合研究科 呼吸器・感染症内科学分野 教授)

専門分野: 呼吸器内科学、呼吸器感染症

「慢性進行性肺アスペルギルス症」
「サルコイドーシス」
「レジオネラの診断と治療」
といったテーマが得意そうです。

呼吸器感染症の仙人だね。

肺アスペルギルス症は肺真菌症のうち最多だけど細かい分類はできるかな?

①侵襲性肺アスペルギルス症(IPA)
②慢性進行性肺アスペルギルス症(CPPA)
③単純性肺アスペルギローマ(SPA)
④アレルギー性気管支肺アスペルギルス症(ABPA)

④に関しては感染症というよりアレルギー性疾患だよ。一つの真菌でこんなに多彩な病態をとるんだね。それぞれについてまとめておいてね。

さて、この先生の得意なものは③だから解説していくよ。
CPPAは、慢性空洞性肺アスペルギルス症(chronic cavitary pulmonary aspergillosis、CCPA)、慢性壊死性肺アスペルギルス症(chronic necrotizing aspergillosis、CNPA)の2つを包括する概念だよ。

慢性空洞性肺アスペルギルス症(CCPA)は、呼吸器症状や全身症状、炎症反応の亢進を伴い、複数の空洞(菌球を伴うこともある)が増大、周囲に拡大する病態で、病理学的には組織侵襲を伴わないんだ。

慢性壊死性肺アスペルギルス症(CNPA)は、アスペルギルスの組織侵襲を伴うもので、緩徐進行性に肺の破壊が進行する病態だよ。

ガイドラインでは、呼吸器系の基礎疾患がある人が、
❶1カ月以上続く呼吸器、全身症状
❷胸部画像所見上、新たな陰影の出現・既存陰影の増悪
❸一般抗菌薬や抗抗酸菌薬の投与に反応しない
❹炎症性マーカーの上昇がある
を満たした時にCPPAを疑うことになっているよ。
さらにアスペルギルスの存在を証明(沈降抗体陽性・気管支鏡で陽性・培養で陽性)できたら確定診断だ。

治療は抗真菌薬の投与だけど、死亡率は高くて42%だよ。

堺田 恵美子(千葉大学病院 血液内科 科長・診療教授)

専門分野:血液内科、呼吸器内科、非閉塞性肺疾患、呼吸器感染症、腫瘍学、POEMS症候群、骨髄腫類縁疾患、ALアミロイドーシス

「びまん性大細胞型B細胞リンパ腫」
「多発性骨髄腫」
「POEMS症候群 」
といったテーマが得意なようです。

血液内科の難しそうなことを研究している人だね。

POEMS症候群は知っているかな?
Polyneuropathy(ポリニューロパチー)
Organomegaly(臓器腫大)
Endocrinopathy(女性化乳房や無月経など)
M protein(Mタンパク)
Skin changes(色素沈着や浮腫など)
の頭文字を取ったものだよ。
他にも胸水や腹水が見られるよ。
病態としては形質細胞種から分泌されるVEGFが血管新生を促進して体液の透過性に異常をきたすというものだよ。

VEGFがまた出てきましたね!まとめておきましょう。

鈴木 亮(東京医科大学病院 糖尿病・代謝・内分泌内科 主任教授)

専門分野:糖尿病、糖尿病合併症、代謝疾患

「高齢糖尿病患者における自己血糖測定の困難」
「膵β細胞の増殖と機能におけるインスリン受容体基質ファミリー蛋白質の役割の解明」
「糖尿病の脳における脂質代謝異常のメカニズム解明とその是正 」

糖尿病のスペシャリストだね。

糖尿病に関しては”糖尿病治療ガイド2020-2021″が税込990円で出版されたばかりなので読んでおこう!
糖尿病は研修医になってもたくさん見るからどちらにしろ勉強になるよ!

森下 英理子(金沢大学大学院 医療科学領域・病態検査学講座 教授)

専門分野:血液内科学、病態検査学

「遺伝性アンチトロンビン欠乏症患者における門脈血栓症」
「血液悪性腫瘍に対する無関係骨髄移植後の再発を予測するADAMTS13単一ヌクレオチド多型のレシピエント」
「ヘムオキシゲナーゼー1が造血幹細胞移植後治療成績におよぼす効果と新規治療戦略」
「白血病における白血球インテグリンMac-1に介在する線溶機序の検討」
といった研究をしています。

血液内科のかなり難しそうなことを研究している人がまたまた登場。特に、凝固線溶に詳しそうだね。

凝固線溶の問題で一番国試に出るのはDICだよ。
臨床の現場でも度々見かける死にうる病気。重症患者において血小板減少、凝固異常を認めたら、DICを真っ先に疑うよね。

だけどなんだかとっつきにくいんだ。
その理由のひとつは、DICの診断基準として使われるものが、急性期DIC診断基準、厚生省DIC診断基準、ISTH overt-DIC診断基準の3つもあるせいなんだ。
その中でも急性期DIC診断基準が最も感度がよく、特に感染症によるDICの早期診断に優れているからこれだけ覚えれば良いよ。

もう一つの理由は、治療が線溶抑制型、線溶亢進型、線溶均衡型のタイプにより異なるところ。

線溶抑制型は敗血症でみられるよ。治療薬はアンチトロンビンや遺伝子組み換えトロンボモジュリンが使われる。

線溶亢進型は白血病でみられるよ。治療はヘパリン、遺伝子組み換えトロンボモジュリン、メシル酸ガベキサート、メシル酸ナファモスタットを使うよ。

線溶均衡型は固形がんでみられるよ。治療ははヘパリン、アンチトロンビン、遺伝子組み換えトロンボモジュリン、メシル酸ガベキサート、メシル酸ナファモスタットを使うよ。

112A16はAPLに伴うDICの問題だったけど、ヘパリンは、禁忌判定されたよ。APLによるDICの時にはヘパリンは使わず、ATRA療法をするよ!

山口 泰弘(自治医科大学附属さいたま医療センター 呼吸器内科 教授)

専門分野: 呼吸器内科学、COPD、気管支喘息、老年医学

「高齢者肺結核の臨床所見の特徴についての検討」
「COPDにおける吸入療法の新展開」
「COPDの合併症 」
といったテーマを研究しています。

COPDのスペシャリストだよ!

COPDは閉塞性換気障害を示すけど気管支喘息も同じ型だよね?
この2つが合併することがしばしばあるんだ。
そのことを、Asthma and COPD Overlap:ACOと呼ぶよ。

治療は吸入ステロイドとLABAとLAMAだよ。喘息とCOPDの治療を足しただけだね。

詳しいガイドラインは無料で公開されているから見てみよう。
たった7ページだからサラッと読めるよ!

https://www.jstage.jst.go.jp/article/naika/107/6/107_1083/_pdf/-char/ja

今回は10人の新規国試委員を分析しましたね。教授ばっかりでしたね。簡単な問題作ってくれるといいな…

次回は救急・麻酔・小児・産婦人科・マイナー科の委員解析だよ!残り13人だから頑張ろう!