今回は国試問題予想!?メルロさん、そんなことできるんですか??
私は113回医師国家試験で、予想した問題を的中させていたんだ。超トップシークレットなんだけど、『みんコレ!』の社長さんにお願いされたから、その術を皆さんに伝授したいと思うよ。
国試問題を予想する方法とは・・・?
医師国家試験は誰が作っているでしょーか?
えーっと、厚生労働省ですかね?
実は「医師試験委員」という大学病院や大病院の医師が作っているんだ。他にも公募で募集した問題も出されるよ。厚生労働省は医師が作った問題をまとめて冊子にするだけだよ。
だから、「医師試験委員」を研究すると国家試験の問題が予想できるんだ。
ちなみに第114回医師試験委員はこちらから見られるよ。
「医師試験委員」の何を研究する??
「医師試験委員」の名簿だけ見ても何をどうすればいいかわからないです。
そうだよね。順を追って説明しよう。
試験委員には新人と経験者がいるんだ。委員はどんどん入れ替わっていくのだけど、国試の難易度とかを上げすぎたり下げすぎたりして合格者数が増減しないように、試験委員の経験者は「優しめの一般問題」で調整するんだ。
対して、試験委員の新人は研究や病院での実績を評価されて選ばれた人だから、自身の研究内容などの「専門分野」を出題しやすいんだ。
ということは・・・
試験委員に新しく加入した人の得意分野を調べれば国家試験に出る新問題が予想できるわけですね!!
その通り!
そして第114回医師国試委員の情報は『みんコレ!』が総力をあげてサーチしてくれたんだ。その情報を順次公開していきたいと思うよ。
ちなみに・・・
国試予想といえばメックのK先生が有名ですよね。
そうだね。彼は広い人脈と巧みな話術を活かして、試験委員の人たちと飲みに行くらしいんだ。あとは、、、お酒が入ると誰だって口が軽くなるもんだよね?
(これ以上は聞かないほうがいい気がする・・・)
じゃあ試験委員について早く教えてくださいっ!!!
①メジャー科系
泉 知里
国立循環器病研究センター病院 心不全科 部長
専門分野:心不全、弁膜症、心筋症、 心臓超音波検査
循環器バリバリ人間だね。臨床問題ならこの人の症例報告にもある巨細胞心筋炎の一例、一般問題なら心不全や弁膜症の循環器の問題が出るだろうね。心エコーの画像も要チェックだ!
山崎 直仁
高知大学医学部 循環器内科 准教授
専門分野:循環器内科学、特に心不全
心不全と一言でいっても病態は様々。病態生理から考えた心不全の治療について臨床問題で出題されそうだ。特に禁忌問題につながりやすいこの分野はしっかりと復習しておこう。
また、HCM・DCM・RCMについて論文を書いているのでこれらの病気については要復習だ。
上原 由紀
聖路加国際病院 臨床検査科 部長
専門分野:感染症
- 著書:
- 検査値の読み方・考え方―専門医からのアドバイス
- 臨床感染症ブックレット〈8〉感染症の予防や制御に必要なことを実践する
- 決定版 ケアに生かす検査値ガイド
- 臨床感染症ブックレット 4 抗菌薬の止めどきと変えどきを考える
- 原因不明の腹痛診断ガイドブック (パーフェクト総合診療医2)
感染症に関するあらゆる分野を著書にまとめ上げている教育好き人間だね。ワイル病、ヤーリッシュ・ヘルクスハイマー反応などは出そうな気がするね。
ヤーリッシュ・ヘルクスハイマー反応って、梅毒やレプトスピラ症や回帰熱などの治療にペニシリンなどの抗菌薬を投与した時、起因菌が体内で大量に死ぬことによって、患者に発熱などが起こることですよね。
さすがゆめ子!よく勉強しているね。113E48にペニシリンアレルギーのある梅毒患者の抗菌薬選択問題が出ているんだけど、この延長線で出るんじゃないかな。
斎藤 知栄
筑波大学 腎泌尿器内科 病院教授・講師
専門分野:腎臓、特にCKD
CKDはまず間違いなく出題されるでしょう。診断基準だけの一般問題が近年出題されたので次は臨床問題で出題されるはずです!
髙橋 愼一
埼玉医科大学 国際医療センター 脳神経内科・脳卒中内科 教授 、慶應義塾大学 医学部 生理学 特任教授
専門分野:神経内科、特に脳卒中
- 著書
- 梗塞診療読本(第3版)
- ブラッシュアップ神経症候―診察と診断のステップを究める―
- 脳卒中病態学のススメ
- 必携 脳卒中ハンドブック第3版
- 神経内科専門医試験問題 解答と解説
なかなかの大物が出てきました。私立大学2つの教授です。脳卒中が必ず出るでしょう。大物なのでワガママを言ってでも出題するはずです。脳卒中のMRI所見について言えるようになっておきましょう。
猶木 克彦
北里大学 医学部 呼吸器内科学 主任教授
専門分野:呼吸器内科、腫瘍診断学、特に肺癌
肺癌は熱い分野です。新薬が出過ぎてガイドラインが追いついていないくらいです。医師たちは論文を読みながら化学療法を行っています。肺癌のポイントは、CT・MRI画像を読みTNM分類およびステージ分類をすること。あとは化学療法・分子標的薬・免疫チェックポイント阻害薬に関する知識は必ずおさえましょう。
特に、限局型の小細胞肺癌の治療は化学放射線療法であり、完治も見込めることが重要です。
松本 久子
京都大学 医学研究科 医学専攻内科学講座 呼吸器内科学 准教授
専門分野:呼吸器、特に喘息・慢性咳嗽・気道平滑筋細胞
ADAMファミリータンパク質をコードする遺伝子のうち、ADAM33が喘息に関連することが明らかにされていることは頭に入れておきたいです。咳嗽の鑑別は持続期間ごとにまとめておいた方が良いでしょう。
中川 美奈
東京医科歯科大学 統合教育機構 准教授
専門分野:消化器内科学、特にC型肝炎
C型肝炎は昔は不治の病でしたが、現在はインターフェロンフリーの飲み薬だけで根治することができます。この分野の薬の開発競争は凄まじく、熱いトピックなので調べておきましょう。
西尾 善彦
鹿児島大学 医歯学域医学系 医歯学総合研究科 健康科学専攻 糖尿病・内分泌内科学 教授
専門分野:代謝学、内分泌学、糖尿病学、特に糖尿病
過去の国家試験を見て分かる通り、糖尿病の治療薬の作用機序・副作用は必ずおさえておいた方がいいでしょう。造影CTを撮る際に確認しなければならない糖尿病治療薬は?皆さん分かりますよね?
あとは、この方は糖尿病性腎症と網膜症の研究中なので確認しておこう。
藤井 隆夫
和歌山県立医科大学 リウマチ・膠原病科学講座 教授
専門分野:リウマチ・膠原病内科学、臨床免疫学、特に自己抗体・抗核抗体
膠原病と自己抗体は丸暗記しておこう。
この人は関節リウマチとSLEが得意なようです。特に、中枢神経ループスに関する論文を出したばかりなので要チェック!
医師試験委員は様々な人がいて奥深いですね〜!次回はマイナー科と公衆衛生について国試委員を研究しましょう!
“研修医メルロの『6年生マニュアル』【第6回】国試問題を予想してみた!![前編]” への1件のフィードバック
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